北海道産の秋サケの漁獲量は、10年前と比べると1千560万尾ほどに激減。サケの仕入れ値は、数年で倍以上に跳ね上がったという。岩手県のある漁協は、採算が合わないと解散を決定した。
北海道産の秋サケの漁獲量は激減
キラキラと光る山盛りのイクラやピンク色の天然鮭が並んだのは、さいたま市のそごう大宮店で始まった北海道の名産品を集めた物産展。

北の大地で育まれた“海の幸”や“山の幸”を求めて多くの買い物客が詰めかけた。

人気が高いのはやはり“いくら”。
買い物客(50代):
(一口食べて)うん!おいしい!!やっぱり北海道は違うな~。きょうのお目当てはサケとイクラで~す。ゲットしました!!
この女性が購入したのは、いくらのプチプチ食感とサケのとろける食感が人気の“親子漬け”。
買い物客(50代):
家族がいっぱいでお弁当がいるので (高い)お米の変わりにサケを入れます。
しかし、北海道物産展にも値上げの波が押し寄せている。

丸あ野尻正武商店 田中浩店長:
親子漬けは100グラム100円のアップ。こればっかりはどうしようもない。

サケの仕入れ値が、ここ数年で倍以上に跳ね上がったという。

北海道産の秋サケの沿岸漁獲量は、2015年の約3320万尾と比べると2024年は約1560万尾に激減。

原因は、海水温の上昇があるようだ。
岩手県「久慈川漁業協同組合」は解散に…
“サケの歴史的不漁”。

異変は、こんなところにも…サケの稚魚がたくさん泳いでいるはずのふ化場の水槽は空っぽに…。

サケの不漁の影響が出ていたのは、50年近くに渡り“人工ふ化放流事業”を手掛けてきた岩手県の「久慈川漁業協同組合」。

ピーク時には、年間約3000万匹の稚魚を放流していた。

しかし、採卵のためのサケが採れず、2年前には約650万匹にまで激減し、水槽は空っぽに…。
漁協は収益が悪化し、解散を余儀なくされた。

久慈川漁協 古舘律夫元組合長:
このまま続けても、借金を増やして迷惑をかける人も増やすとまずいかな…今が潮時ということで(解散を)決意しました。
安くておいしいと人気のサケの記録的な不漁で、私たちの食卓に影響緒が出ている。
(「イット!」 5月8日放送より)