東京49市区の中で唯一鉄道の駅が無い武蔵村山市にモノレールの駅ができるという都市計画が2025年3月決定された。期待の声に沸く地元を担当記者が取材した。

鉄道の駅が無い武蔵村山市

鉄道駅がない武蔵村山市を取材のためオフィスのある新宿から武蔵村山市役所へ向かった。
鉄道がないので、JR立川駅からバスに乗り換え、約30分ほどで市役所に到着した。

私を出迎えてくれた市の職員から、「どうやってきましたか?」と訪ねられたので、「バスでまいりました」と答えると、「遠いですよね。バスはどうしても渋滞の影響を受けるので朝が大変なんです」と話してくれた。

市役所の壁に掲示されている市内の小学生が作成した新聞が目にとまる。
記事の1つに、「武蔵村山はいいところ。でも駅がないことは残念です。駅を作ってほしいなと思います」と書かれていた。

多摩都市モノレールを延伸し5駅整備へ

武蔵村山市は、東京都の多摩地域北部、埼玉県と接し、人口約7万人あまりが住んでいる。
武蔵野台地とあって平地が多く、戸建て住宅が立ち並ぶ街並みで、鉄道がないからガレージには車が2台駐車されている家が多い。

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この武蔵村山市に、多摩都市モノレールを延伸して武蔵村山市に5つの駅が整備されることになった。2025年3月に都市計画が決定され、2030年半ばの開業を目指すとしている。

武蔵村山市にとっては構想から約30年の悲願達成となる。
市が公表した沿線のまちづくり方針もユニークなものとなっている。

なかでもユニークなのが小学生たちに将来のまちづくりについて意見を聞いている点だ。
ただ聞くだけでなく、市が公表したプランにきちんと反映させている。

こどもたちからは、名物のうどんミュージアムを作る、冬の祭りがないのでウィンターフェスティバルを行うなど、大人顔負けの提案が出されている。

モノレールは、新青梅街道の幅を拡幅して道路の真ん中に作られる予定だ。
計画区間約7キロでの工事と用地取得は順調に進んでいる。
【取材・執筆=フジテレビ社会部 大塚隆広】

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大塚隆広
大塚隆広

フジテレビ報道局社会部
1995年フジテレビ入社。カメラマン、社会部記者として都庁を2年、国土交通省を計8年間担当。ベルリン支局長、国際取材部デスクなどを歴任。
ドキュメントシリーズ『環境クライシス』を企画・プロデュースも継続。第1弾の2017年「環境クライシス〜沈みゆく大陸の環境難民〜」は同年のCOP23(ドイツ・ボン)で上映。2022年には「第64次 南極地域観測隊」に同行し南極大陸に132日間滞在し取材を行う。