福岡市動物園の人気者に「お別れの時」が迫っている。5歳のオスのアミメキリン、名前は『ニコ』だ。2020年2月5日、福岡市動物園で産まれたキリンだ。

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福岡市動物園では、36年ぶりとなるキリンの赤ちゃん誕生だった。周囲のみんなをニコニコと笑顔にしてほしいとの願いからニコと名付けられたという。

福岡から静岡へ“お引越し”

白の地毛に赤褐色の亀の甲羅のような模様が特徴のアミメキリン。誕生から5年間、すくすくと育ち、両親と仲良く暮らしてきたニコなのだが、県外の動物園に引っ越しをすることになった。

引っ越しの日にちは、4月21日。福岡市動物園によると、ニコの引っ越し先は、静岡県の伊豆シャボテン動物公園だという。

「いや、もう落ち込みました。誕生したときから見ているので」と話す女性や「理由は知らないです。何でなんですか?」と尋ねる男性。「寂しいね…、他の動物園にいないからですか?」などと突然のニコの引越しを聞いた来園者は、悲しみと共に驚きを隠さなかった。

引っ越しの理由は何なのか? 飼育員の加藤千奈さんは「将来的な繁殖に向けてお引っ越しということになりました。(全国の動物園で協力?)そうですね。協力して個体を増やしていこうというかたちです」と説明する。

絶滅危惧種のキリンを増やそう

絶滅危惧種でもあるアミメキリンは、全国の動物園が協力して繁殖にあたっていて、ニコの将来的な繁殖を見据え今回の旅立ちが決まったというのだ。

特別なエサを美味しそうに食べるニコ(4月13日)
特別なエサを美味しそうに食べるニコ(4月13日)

福岡市動物園では4月13日、ニコとのお別れイベントが開かれ、朝から多くのファンが訪れた。送別する特別なエサがプレゼントされると、ニコはおいしそうに食べた。「心細いだろうけどね、早く新しい動物園に慣れてもらったら」と見送る来園者。「動物園が違っても、ニコのことを忘れない。キリンさん、バイバイ~」と子どもたちも手を振って別れを惜しんでいた。

ニコが公開されるのは4月20日までで、園内では、誕生からこれまでを振り返る写真展も開催されている。

(テレビ西日本)

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