「ポイント経済圏を展開する企業は、2つに分けられます。1つは、共通ポイントを発行している企業。楽天ポイントなら楽天、dポイントならNTTドコモです。もう1つは、ポイント経済圏に参加している企業。例えば、コンビニやドラッグストアなどです。
ポイントを発行している企業に関しては、囲い込みのメリットが機能します。ポイントを貯める人が増えるほど商いの面積が増え、売上のアップにつながるといえます」

片やポイント経済圏に参加している企業は、状況によっては顧客を囲い込めないこともある。
「ポイント経済圏の中に競合他社がいなければ、消費者の囲い込みにつながります。例えば、あるポイントが使えるコンビニ、ファミリーレストラン、家電量販店がそれぞれ1店舗ずつであれば、顧客の取り合いにならないからです。
逆にポイント経済圏の中に競合他社がいると、顧客の取り合いになりかねません。コンビニDでもコンビニEでも同じポイントが使えるとしたら、消費者はどちらで買い物をしても変わらないため、ひとつのコンビニに定着しませんよね」

同じポイント経済圏に競合他社がいる場合、参加企業にとってはデメリットも大きいため、中川さんは「ポイント経済圏から抜ける企業が出てくるかもしれない」と話す。
「参加企業からすると、ポイント経済圏は持続可能な仕組みとはいえません。そのため、ポイント経済圏の選別が行われ、独自のポイントを強化する企業も増えていくのではないかと考えられます」
「ポイントは1種類に絞る」が吉
企業からするとプラスもマイナスもあるポイント経済圏だが、消費者からすると得しかないとのこと。