結婚式まで約1か月という時期に、式場の運営会社から突然、破産の知らせ。すでに支払った金が戻ってくる見込みはなく、ある夫婦は「破産がわかっていたのに契約させられたのでは」と不信感を募らせている。
挙式1カ月前 深夜に突然のLINE
破産したのは、佐賀や福岡で結婚式場を展開していた「アルカディア」。負債総額は2024年8月末で約40億円。

佐賀市に住む西村大地さん(32)と妻の理香子さん(30)は、「アルカディアSAGA」で2025年5月に結婚式を挙げる予定だった。

しかし、約1カ月前の深夜に式場から突然の連絡。妻の理香子さんは当時を次のように語る。
「寝る直前までプロフィールムービーを作っていて、『そろそろ寝ようかな』と思ったらLINEがピコンと鳴った。中を開けたら『倒産』という文字があって。『え…?』みたいな」
あまりにも唐突な“破産”の知らせ
LINEの通知内容は次のような文面だった。
『近日中に破産を申し立てる予定となっております。本日以降の挙式・披露宴・宴会が全て実施できなくなりました』

夫の大地さんは「まだそのときは、結婚式を挙げられない、というのが飲み込めない部分があった」と当時の心境を語る。

あまりにも唐突な“破産”の知らせ。すでに招待状も送り終え、続々と返事が返ってきていた頃だった。
支払った金戻らず…募る不信感
すでに払っていた内金は10万円。このほか、衣装代の頭金や前撮り費用など合計30万円を支払っていたが、返してもらえる見込みはない。

妻・西村理香子さん:
プロフィールブックや座席表…ペーパー類も全部作り終えるかなというタイミングだった。時間もお金も失った感じです

契約したのは、2024年7月。その後、それほど時を経ずに巨額の負債が明らかになった「アルカディア」に対し、西村さんは不信感を募らせている。

夫・西村大地さん:
負債額が大きかった。自分たちが契約したときはどうだったのかなと。もう(破産が)分かり切っていて契約させられたのかな、という不信感がある

夫・西村大地さん:
結婚式って人生の中で一番大きいイベントというか節目。そういう商売をしておきながらこの対応はちょっとない
妻・西村理香子さん:
お金はもちろん戻ってこないし、それに対する何もフォローはない
新婚旅行も白紙…やりきれない思い
結婚式を終えてから予定していた海外への新婚旅行も白紙となった。
妻・西村理香子さん:
結婚式ができなくなるのが一番つらいから…。結婚式が終わってからの2人の生活感やお金のことを考えて(新婚旅行は)もう1回考えようと

やりきれない思いを抱えながらも2人は気持ちを切り替え、当初の予定を3カ月延期し、別の式場での結婚式を決めた。一生に一度の晴れ舞台を目指して、西村さん夫婦は懸命に前を向いている。
妻・西村理香子さん:
日程も変更して、ここで(式を挙げて)良かった、と思える最高な着地点を目指して、前を向いて進んでいくしかないと思っています
(サガテレビ)