発声練習後に始まった「朗読教室」ですが…。

朗読教室に通う人:
ダチョウ、トケゲ…トカゲ。

思い通りに言葉が出てきません。

実は、ここに参加しているのは「失語症」という言語機能に障害がある方達です。

石原由理さん:
失語症は「読む」「書く」「聞く」「話す」といったコミュニケーションができなくなる障害です。
日本語ですら未知の言語になってしまいます。

朗読教室の講師、石原・由理(いしはら・ゆり)さん。
失語症に悩む人のため、4年前に「朗読教室」を始めました。
石原由理さん:
朗読をするっていうことは(読む・聞く・話す)マルチタスクを鍛えるっていうことでもあるのです。
楽しく練習をして、知らないうちに自然にコミュニケーション能力が戻っていたら最高。

そう語る石原さん自身も、失語症を患った一人。
11年前に脳卒中で倒れ、一命は取り留めたものの、後遺症で言葉を失いました。

石原由理さん:
自分の名前とか住所も言えない。名前っていう概念すらわからない。
数年ぐらいは言葉が出なくて、うつ症状など心の問題も出てきました。

そうした苦難を乗り越えた石原さんは、年に一度“失語症患者による朗読劇”を開催。
多くの人に“失語症を知ってほしい”という思いが込められています。

石原由理さん:
自分が試して、地道に練習してみたら効果があった。
「大丈夫だよ」って。朗読で取り戻すことができるんだよっていうことを言いたいです。
失語症に悩む人たちが楽しく言葉を取り戻せますように。
朗読教室を開催する石原さんの活動はあすも続きます。
(「イット!」3月6日放送)