「取り消しなさい」「取り消しません」

安倍首相に質問する旧民主党の岡田克也議員
安倍首相に質問する旧民主党の岡田克也議員
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安倍首相の「民主党政権は悪夢だった」発言。 是非はともかく、 発言に対する旧民主党幹部の皆さんの反応が、 人それぞれで面白かった。  

まず外相を務めた岡田克也さん。 昨日の予算委では 「取り消しなさい」「取り消しません」 と安倍首相とガチンコ対決だった。  安倍さんが「少なくともバラ色ではなかった」とムキになると、 岡田さんも終了後「ちっちゃな首相だ」と言い返し、 お互いやや大人げなかった。 

官房長官、経産相などを務めた枝野幸男さんは、 「あの時代は自殺者が減るなど良くなった部分も多々ある」 と比較的おとなしい反論。 というか悪夢という前提を認めているようにも聞こえた。   

小沢氏「もう一度悪夢を」

「もう一度悪夢を見てもらわにゃ」と発言する小沢一郎氏
「もう一度悪夢を見てもらわにゃ」と発言する小沢一郎氏

 ダントツに面白かったのは、 やはりこの人、幹事長だった小沢一郎さん。 

「もう一度悪夢を見てもらえばいい」だって。  これは本来、 「安倍さんにとっては悪夢だっただろうから、 もう一度安倍さんに悪夢を見てもらおうじゃないか」 という趣旨。  ただ、これ、普通の国民が聞いても、小沢さんから、もう一度悪夢見てもらうぞ、 と脅されているように感じますよね。  

国民は民主党政権を許してはいない

「取り消しません」と笑顔で答える安倍首相
「取り消しません」と笑顔で答える安倍首相

さて、では実際に民主党政権は悪夢だったのだろうか。 私も含め国民が民主党政権に夢を見たのは事実だ。 ただその夢が少し大きすぎたのではなかったか。  

だから辺野古移設や、子ども手当、消費税など、 選挙前と後のあまりのギャップの大きさに、 「悪夢」だと思った人もいただろう。 

 6年も政権を続ける「勝ち組」の安倍さんが、 「悪夢」呼ばわりするのは大人げないかもしれない。  

民主党政権の人達からすれば、 良いこともやったんだし、 改革は時間がかかるんだから、 もう少し温かい目で見てほしい、 ということだろう。  

ただ国民の多くが、未だに民主党政権を許してないのも、 また事実なのだ。   

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ客員解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て報道局上席解説委員に。2024年8月に退社。