フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が、27日午後に取締役会を開催し、経営改革や経営陣の刷新などを決定。
注目された日枝久氏(87)の取締役退任が決まった。その後、フジテレビ・清水社長とFMH・金光社長が取材に応じ、体制刷新の理由などを説明した。
日枝氏が取締役退任…FMHとフジテレビ社長が取材に応じる
フジテレビは27日午後、臨時株主総会と取締役会を開き、信頼回復に向けた経営体制の見直しを決めた。

その後、午後5時からフジテレビ・清水社長とFMH・金光社長が記者らを前に取材に応じた。

FMH・金光社長:
新体制は役員数を減らし、コンパクトにし、平均年齢を若くし、女性役員比率を上げる、客観性を高めるための独立社外役員比率も上げました。将来の事業展開に有効なスキルを持つ人、あるいは、国際レベルでの会計や財務の専門家も、迎え入れて新たなフジ・メディア・ホールディングス及びフジテレビへの第一歩を踏み出したと思っております。

さらに、注目を集めた、日枝久・取締役相談役の進退については…。

ーー日枝取締役相談役は、長年にわたって経営中枢におられた方。自らの判断で退かれたのか?
金光社長:
日枝相談役は割と早い段階から経営の刷新の方向には賛成をしていますし、その経営を刷新する方向に関しては任せると言っていましたので、当然、代表権者である私、フジテレビの方では、清水が中心になって、この体制を考えた。

1961年、フジテレビに入社した日枝氏。1983年には取締役に、1988年からは社長を務め、2001年、会長に就任した。

そして2005年、「ライブドア」による、ニッポン放送株の買い占め騒動では…。

フジテレビ・日枝会長(当時):
提携、提携って、何をするかわからないのに、提携OKなんて言えない。
連日のように、報道陣の取材に応じていた日枝氏。

2005年4月の和解を発表した共同会見では、堀江貴文氏と握手する際、笑顔も見せた。

フジテレビと、親会社の双方で、取締役相談役を務めてきた、日枝氏はフジサンケイグループの代表も務めている。
ただ、今回の一連の問題を巡っては、公の場に一度も姿を見せなかった。
1月の会見では記者から「皆さんの力で日枝代表を辞めさせる発想はない?」と聞かれ、FMH・金光社長「(日枝氏は)現場はタッチしていない立場ではあります」と答える場面もあった。
日枝氏から具体的な言葉は「特にございません」
そして迎えた27日の取締役会。

日枝氏について、フジテレビは27日付で、フジ・メディア・ホールディングスは6月の株主総会を経て、取締役を退任する人事が発表された。

ーー今回退任で日枝氏から何か具体的な言葉は?
金光社長:
特にございません。最終的に固まった案に関しましてお届けしましたけれども、非常に今のフジテレビの状況とかを心配されているということは分かりますけれども、何かお言葉があったというわけではございません。
経営の刷新をしていきたい。いくべきだと。この今の状況、風評を含めた形の状況はいかんともしがたいと思っていると思うんですね。だから刷新するということに関して、我々が主体的に決めた物に関して何かを言うこともなく、頑張ってやって欲しいという感じがありましたけども。
ーー今後、院政のような形にならないのか?
金光社長:
私の印象として、もしそういう懸念があるなら、こういう形で人事はできなかったと思います。だから、それがもう証だと思います。影響は受けてないですから、人事を作るにあたって。
フジテレビ・清水社長:
今申し上げた通り、今回の人事もあの影響力は全くない陣容を今回発表できたと思います。それはあの皆様方ご覧になって、多分そう判断いただけるんじゃないかと思っています。
取締役数は22人から10人に、女性取締役比率は3割に
さらに取締役会では、社外取締役も含めた大規模な人事の刷新も決定した。

取締役の数を22人から10人に減らした他、多様性を図る観点から、女性取締役の比率を3割に引き上げ、50歳以下の新たな起用を進めた。

これにより、取締役の平均年齢は、67.3歳から、59.5歳に引き上げられた。

清水社長:
非常にコンパクトな取締役の構成にしたのは、やはり、職務執行と取締役の監督機能と職務執行の分離っていうことを考えました。よって、今回は執行役員に11名を任命しておりますが、基本的には取締役が執行するという、取締役の役割はやはり執行役を監督する立場で、経営と執行の分離というものをきちっとやり、より透明性の高いガバナンスの高い会社経営にしたいと考えています。
ーー当初、第三者委員会の調査報告書を以て決めたいというような説明などもあったか、と思うんですけれども、調査報告書を待たずに体制を決めた理由を狙いを教えてください。
金光社長:
いずれにしても今起こっていること、我々が置かれている立場を考えた時に、信頼回復を目指すことでできる限りのことを急にやったほうがいいという判断でいました。信頼回復するためにこの経営体制の刷新というのは、大きなポイントだというふうな認識をしておりましたので、できることならば速やかにこれを決めて発表したいという思いがありましたが、人事のことでございますので、あらかじめいつにそれができるということはなかなか明言できなかったのでそういう表現があったと思うんですが固まりましたので、通常フジメディアホールディングス5月の役員選任議案という形で出しているものも前倒しにしてやるということでいずれにしても今の状況を回復するための策としては、早い方がいいという判断に至ったということでございます。
(「イット!」 3月27日放送)