冬眠シーズンが到来しても、各地でクマの出没が止まらない。一方、クマ肉は食材としても利用される。食用となるクマ肉はどのように活用されてきているのか。そして、その味はどのようなものか。都内のジビエ料理専門店などを取材した。

クマを引き取る施設「フル稼働でも間に合わない」

師走に入り、冬眠シーズンが到来しても依然として各地でクマの出没が止まらない。

この記事の画像(16枚)

秋田・横手市の住宅街では2日、体長約1.3メートルのクマ1頭が小屋に居座った。
現場は小学校も近く、吹き矢による麻酔で捕獲し、駆除された。

“災害級のクマ出没”に、駆除されたクマも激増している。
そのクマを引き取る北海道の施設では、手が回らない事態に追い込まれていた。

南部桧山衛生処理組合・上戸等 場長:
前年約30頭ほどだったんですけども、現時点で120頭ほどになっています。もう過去最高です。フル稼働でも間に合わないです。

クマ料理の一番人気は鍋

駆除されたクマの引き取りに頭を悩ます一方で、食用となるクマ肉はどのように活用されてきているのか?

取材班が訪れたのは、クマ肉を推している都内のジビエ料理専門店。

「こちらがツキノワグマ、こちらがヒグマ」

きれいに切り分けられたクマの肉を見てみると、赤身の上にたっぷりと脂肪がついているのが分かる。

あまからくまから人形町店・林育夫店長:
基本的に冬眠前に脂をつけるんですけど、その脂がおいしいので、よく食べられるのはやっぱり冬、この時期です。毎年この時期はクマを食べられるために来られる方が多いです。

旬を迎えているというクマ料理の一番人気は、圧倒的に鍋。

肉の味は、食べているエサによって変化し、柿などのフルーツが多ければ脂が甘みを増し、木の実などが多ければこってりとした味になるという。

男性客:
念願のクマ、念願のクマです。

この日、クマ肉初挑戦だというお客さんは…

男性客:
おいしいです。すごい。なかなか弾力のある感じというか。

女性客:
牛とも馬とも違うような野性味を感じる味でした。
(Q.馬と牛と比べるとどう?)
クマの方が好きです。

しっかりと処理されているクマ肉は、気になる臭みも抑えられているという。

多くのクマが駆除されている中、クマ肉の流通量はどうなっているのか?

あまからくまから人形町店・林育夫店長:
元々の処理施設の限界ぐらいまで稼働はしていると思いますので、多少増えていると思いますけど…。

クマが多く捕獲されても、処理施設の不足などから、食用にできず処分されるケースも少なくないという。
クセになる味わいのクマ肉だが、広く流通させるには、まだ時間がかかりそうだ。
(「イット!」12月3日放送より)