スペイン産豚肉が輸入停止になった影響が広がっている。年明けにはスペイン産のイベリコ豚が食べられなくなる恐れもあり、メニューを提供する飲食店では不安の声が上がっている。専門家は「長期化する懸念があり、今後、価格が高騰する可能性」を指摘する。

飲食店の間で広がる不安の声

スペイン産イベリコ豚を使ったステーキに、贅沢に盛り付けられた生ハム。

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こうしたスペイン産の豚肉が輸入停止となった影響で、飲食店の間では不安の声が広がっている。

リストランテ・バル・ポルテーニョ  帆足 和彦 代表:
私も生ハム協会に所属しているんですが、情報を集めている段階ではあるんですが、大変見通しがとても悪い状況でして、もう年明けたら、何年間か入らなくなるのではないのかなと。

東京・錦糸町にあるスペイン料理店。その一番の看板商品が…。

日本生ハム協会に所属している店主が肉の塊から1枚1枚切り出す、スペイン産イベリコ豚の生ハム。

リストランテ・バル・ポルテーニョ  帆足 和彦 代表:
協会で所属して、切磋琢磨して勉強してますんで、知識と技術で見た目と味が大きく変わります。

客:
なんか柔らかくて脂身がすごい甘い感じがしますね。
(Q.輸入がストップするらしい?)
心配ですよね。食べられるときに食べといたほうがいいですね。

客:
知りませんでした。本当にショック。僕の人生でも日本人の人生でも、生ハムが大事だと思う。みんなが大好きだからショック。

こちらのお店では、スペイン産のイベリコ豚を使用したメニューを5種類ほど提供。輸入停止を受、危機的な状況となっている。

リストランテ・バル・ポルテーニョ  帆足 和彦 代表:
おそらく代替も見つからないでしょうし、ほかのインポーター(輸入業者)さんからの供給も難しいと思いますので、1月になくなると思います。困るというか、もうノーアイディアですね。何も思い浮かばない。

アフリカ豚熱の発生により、11月28日から輸入が一時停止となっているスペインからの豚肉や加工品。

スペインから日本に輸入される豚肉は18%ほどで、国別にみると3番目に多く、ハムやベーコン、ソーセージなどに加工されている。

スペイン産の生ハムを320円を提供しているサイゼリヤでは、在庫があるため、すぐ売り切れることはないとした上で、詳細については情報を精査中としている。

輸入停止が長期化する懸念も

専門家によると、「アフリカ豚熱」による輸入停止は、スペインが初めてではないという。

流通ジャーナリスト・西川立一さん: 
以前にイタリア産が同じアフリカ豚(熱)で輸入禁止になってる状況なんですね。(元々は)イタリア産がメインで、スペイン産もその代替品として売られているわけですけど。

実は「生ハム」をめぐっては、4年ほど前にイタリアでも「アフリカ豚熱」が確認。今も輸入停止が続いている。

流通ジャーナリストの西川さんは、スペインからの輸入停止も同じように長期化する懸念があり、今後、価格が高騰する可能性があるという。

流通ジャーナリスト・西川立一さん:
イタリア産とスペイン産がない状況で、需要が逼迫するわけですから、やっぱり、それに代わるアメリカ産とか、フランス産なんかは価格が上昇する恐れがあります。

生ハムの価格が高騰する可能性について、消費者からは…。

買い物客:
ハム食べます。最近だと、ハロウィンが1か月前にあったんですけど、その時にワインを開けたので、おつまみとしてのハムを食べる量減ったりしちゃうのかなみたいな感じの事は思いました。

業界関係者からは、「年末にかけて需要が増える時期なので心配だ」などの声があがっている。
(「イット!」12月3日放送より)