熊本地震から2025年4月で9年。震度7の揺れに2度襲われた熊本・益城町では、区画整理事業が進んでいて、3月18日に大きな節目を迎えた。18日に開かれた区画整理の審議会で、元の土地から新しい土地に変える、いわゆる『仮換地』の指定が了承され、これで全画地の『仮換地指定』の見込みが立った。

482ある全画地で仮換地指定の見込み立つ

2016年4月に起きた熊本地震で、2度の震度7の揺れに襲われた益城町。町は道幅が狭く、倒壊した建物が道路をふさぐなどしたため、災害に強いまちづくりを目指し、町の中心部約28ヘクタールで区画整理を計画し、熊本県が事業主体となって進めている。

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3月18日に益城町役場で非公開で開かれた区画整理の審議会では、元の土地から新しい土地に変える、いわゆる『仮換地』の指定案が示され、17画地が了承された。これで益城町の区画整理は482ある全ての画地で、『仮換地指定』の見込みが立ったことになる。

熊本県・益城復興事務所の奥村知明所長は「一つの節目を越えることができた。熊本県としては引き続き丁寧な説明を行い、事業の完了に向けて全力で益城町と連携していきたい」と述べた。

仮換地指定が行われると、熊本県が新しい土地の造成などを行い、地権者に引き渡す。熊本県によると、2月28日までに全体の45パーセントに当たる218画地で、新しい土地の引き渡しが完了しているという。

県道熊本高森線の4車線化にも後押しか

益城町の西村博則町長は「仮換地が100%ということで、完全復興への一つの節目で、大きな前進だと思っている。事業完了を目指して熊本県と一緒にやっていくのが一番。ここからは住民と一緒になって、にぎわいづくりに取り組んでいかなければと改めて感じている」と述べた。

益城町では、町を東西に走る県道熊本高森線の約3.8キロで4車線化も、熊本県によって進められている。区画整理の区域内にも約0.6キロが含まれていることから、今回の全画地の『仮換地指定』で、4車線化にも大きな後押しになりそうだ。

熊本県は県道熊本高森線の4車線化について、2025年度中の全線供用開始を、区画整理については2027年度中の事業完了を見込んでいる。

(テレビ熊本)

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