全国的なコメ不足を受け、早ければ3月下旬から流通が見込まれている政府の備蓄米。コメの価格高騰で私たちの生活にも大きな影響が出ている中、コメの集荷業者で構成された団体の青年部が3月5日、コメ1tを新潟県フードバンクに寄贈した。
集荷業者がフードバンクにコメ1t寄贈!
5日、コメの集荷・販売などを行う団体の青年部から県フードバンクに寄贈されたのは、コシヒカリやこしいぶきなどのコメ1tだ。

県内では約1万世帯のひとり親家庭や生活困窮世帯が登録しているフードバンク。
近年続く物価高騰などで、その登録世帯も年々増加傾向にあるが、最近はコメの価格高騰でコメの支援を求める声が県内だけでなく県外からも届いていたと、県フードバンク連絡協議会の山下浩子会長は話す。

「今まで10kgお渡ししていたところが、5kgになったり、またはひと月に1kgずつとお渡ししていたこともあった。ないものはしょうがないので、勘弁してもらっていた状況だったが、1tものコメをお預かりできたので、安心してしばらくはお配りできる」
「ギリギリのライン」集荷業者も深刻なコメ不足に直面
コメを寄贈した県主食集荷商業協同組合青年部の関口真也部長は「貧困な家族がいたり、ご飯も食べられないという話も聞いていたので、何か力になれればいいのかなと思って」と話す一方で、「各業者ギリギリのラインで出していると思う」と本音もこぼす。

今回寄贈したコメは、集荷業者7社で捻出したものだが、その集荷業者も深刻なコメ不足に直面していた。
集荷業者は「予定よりは、やっぱり集荷できていない状況が続いている。それでも相手先からは『もっと欲しい』という状況で、なかなか困っている」と現状を明かす。
難しい価格設定…備蓄米流通に懸念の声も
早ければ3月下旬には政府の備蓄米が市場に出回る見込みで、コメの価格が落ち着くことが期待されるが、農家と接している集荷業者はそのコメの価格設定の難しさを口にする。

「お店とか行くと、コメ高いなと思うが、農家さんがつくっていけるような価格と消費者がコメを嫌にならないようなバランスの良い価格に落ち着けばいい」
「生産コストだとか機械代・燃料代などのコストが上がっている中で、コメの価格が上がってこなかった背景があるので、一概に…。立場によって受け取り方が変わってしまうが、生産者側の立場に立つと、備蓄米放出は懸念材料になってしまうのかなと」
私たちの生活に欠かせないコメの価格が今後どのようになっていくのか。備蓄米の放出など、これからの動向に注目だ。
(NST新潟総合テレビ)