新潟市の水道料金が2025年1月から平均29%値上げされた。施設の老朽化に対応するための値上げだが、利用料金の支払いが始まり、水が欠かせない飲食店からは悲鳴が聞かれた。
水道料金29%増に…「結構な痛手」
「2カ月前が1万6231円、今月が1万8682円だから、2400円くらい月で上がっちゃっている」
下水道使用料を含めた水道料金の請求を眺める新潟市の富永さん。

「2400円だと12カ月で年間1万5000円近く…痛い。一般家庭だと結構な痛手だよね、家計にはね」
1月使用分から、水道料金を平均で29%値上げした新潟市。水道管が老朽化により更新時期を迎えていて、その工事費用がかさんでいることが値上げの理由だ。
“水”欠かせない飲食店から悲鳴
飲食店では、その影響がより大きくなっている。
ランチ営業に向けて仕込み作業が行われていた新潟市中央区の海鮮問屋大助。店主の佐藤一郎さんは開店前に魚の水洗いをしていた。

「これをやらないと魚の鮮度が落ちるので、大事なところ。仕込みのとき、水は流しっぱなし」
店の顔とも言える新鮮な海鮮の提供に、水は欠かせない。

値上げ前の水道料金は2万5000円ほどで、下水道使用量との合計で6万2000円あまり。3割値上げとなると、請求は7万円近くになるという。
佐藤さんは「痛い、コメもみんな値上がりしているので」と嘆く。
値上げに理解も「どう価格に転嫁していくか…」
水を大量に使うのはそば店も。
そば処山よしの古俣稔店主は「ここでそばをしめるので、ここが一番水を使うところ。何リットルかは…ちょっと分からない」と話す通り、そばをゆでて、ぬめりを取り、しめる。提供までの全ての工程で水が必要となる。

これまでひと月で3万円ほどだった水道料金は、今回の値上げで4万円ほどに。
そば粉や天ぷらを揚げる油も値上がりする中だけに「だいぶきついので、どうやって価格に転嫁していくか考えていかないとちょっと追いつけない感じ」と悲鳴をあげる。

一方で、水が生命線だからこそ「施設を維持するための値上げは理解する」と話す。
水道管の老朽化という難局を水道料金の値上げを通し、市民で乗り越えるときを迎えている。
(NST新潟総合テレビ)