これからの時期、症状のピークを迎える花粉症は、年を重ねてからも症状が治りづらいという特徴がある。どのような対策が効果的なのか、まだ花粉症の自覚がないという人は、どのような予防をすればいいのか医師に聞いた。
今や国民病…増加傾向の“スギ花粉症”
止まらないくしゃみや目のかゆみに、何度かんでも出てくる鼻水。
これからピークを迎える花粉症だが、「スギ花粉症は現在、増加傾向にある」と話すのは、魚沼基幹病院耳鼻咽喉科部長の本田耕平医師だ。

今や国民病とも呼ばれる『スギ花粉症』。
病気にかかっている人の割合を示す有病率は、10年ごとに数%ずつの増加にとどまる通年性のアレルギー性鼻炎に対し、スギ花粉症は約10%ずつ増えているという。

「年代的に見ると、10代にだいたい花粉症のピークがあって、50%前後の方が花粉症になっている。その後、成人に移行して、ずっとその高い有病率をキープし、60代以降になると少しずつ有病率が低くなっていくということで、割と年をとった方でも花粉症になる方がいるということになる」
花粉症は年を重ねてからも症状が治りづらいという特徴がある。
つらい症状抑えるには…「早めの対策が大事」
では、どういった対策が効果的なのか…。
本田医師は「初期療法と言って花粉の飛散、症状が出る2週間前くらいから薬を早めに飲んで、ピーク時の症状を抑えることは可能。早めの対策が大事」と指摘する。
花粉飛散のピークと言われる3月中旬を目安に、早めに医師に相談し、必要に応じて薬を飲み始めることが重要になる。
自覚ない人も…“飛散情報”活用しながら予防を!
一度症状が出ると、なかなか治らない花粉症だが、まだ花粉症の自覚がないという人は、どのような予防をすればいいのか…。
本田医師は「一番の花粉症を防ぐポイントは花粉の暴露を避けるということ。やはり、抗原という花粉を吸わないということが一番大事。基本はマスク・めがねを使って、花粉暴露から身を守ることが重要」だという。

さらに、花粉暴露を避けるために魚沼基幹病院では花粉が飛び始める時期になると、花粉の飛散量を、計測器を使って調べている。
2月中は、それほど付着はなかったが、3月に入り、花粉飛散のピーク時になると目で見ても分かるほどの大量の花粉が付着するという。

新潟県内では、魚沼基幹病院を含め2箇所の病院で行っている飛散状況の計測。この計測を基に、魚沼基幹病院のホームページには飛散情報が掲載されている。
本田医師は「花粉を避けるということが第一。マスク・めがねのほか、花粉情報というものがマスコミからも色々出ているし、我々も屋上でスギ花粉を測定して、その情報をHP上で皆さんに提供しているので、ぜひご活用いただければありがたい」と話す。

これから飛散のピークを迎えるスギ花粉。早めの対策と情報収集が重要だ。
(NST新潟総合テレビ)