30年以上にわたる議論に一つの判断が示された。新潟県の湯沢町と十日町市の境界線をめぐる裁判で、東京高等裁判所は1審となる新潟地裁の判決を変更し、湯沢町の主張を全面的に認める判決を言い渡した。主張が認められなかった十日町市は上告する方針を決めた。
湯沢町vs十日町市の“境界線問題”
湯沢町と十日町市の間で30年以上にわたって議論されてきた“境界線問題”…争われていたのは2つの境界線だ。

1つ目は固定資産税の課税権にも関わってくるガーラ湯沢スキー場周辺の境界線。
2つ目は未確定となっていた高津倉山から高石山までの約5kmの境界で清津峡の一部が位置する周辺だ。

2023年に開かれた1審の新潟地裁では、1つ目の境界線は既存の境界を十日町市側にずらし、湯沢町の主張する境界線を。2つ目の境界線は、十日町市の主張する境界線を認めた。
しかし、これで決着とはならず…双方ともに判決を不服として東京高裁に控訴。
高裁“湯沢町の主張”全面的に認める
そして、東京高裁で開かれた判決公判。
1つ目の境界線については、1審の新潟地裁と同様、湯沢町の主張する境界線を採用。
一方、2つ目の境界線については、1審が示した江戸時代の利用状況などでの判断は困難として、明治・大正時代の資料などを総合的に判断して湯沢町側の主張を採用した。

主張が全面的に認められた湯沢町の田村正幸町長は「自分たちの主張が通ってよかった」とコメント。
主張認められなかった十日町市は上告へ
一方の十日町市は、2月13日に開かれた市議会の常任委員会で最高裁に上告することを報告。

上告する理由については「提出した歴史的資料に対する証拠評価としての判断が、昭和61年の最高裁判例(筑波山の境界線問題、自治体の境界画定に関するもの)の要件に照らし、誤っていると判断したため」としている。
境界線をめぐる問題はまだ続くようだ。
(NST新潟総合テレビ)
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