新潟市の旧新潟三越跡地周辺の再開発事業について準備組合が2月12日、中原八一市長に事業の進捗の遅れを報告した。市は2024年度予定していた7億円あまりの補助金を全額カットすることを決定。一方、東京建物は事業撤退を否定した。着工時期を限定せずに施工できる業者がいないかヒアリングを続ける方針だ。
工事着手のメド立たず…新潟市に“遅れ”報告
2月12日、新潟市の中原八一市長を訪ねたのは、旧新潟三越跡地の再開発事業を進める準備組合だ。
準備組合は旧新潟三越跡地に地上150mの高層タワーの建設を計画していて、計画では2024年度中に実施設計を行い、建物の解体を始め、2026年度の工事着手を目指していた。

しかし、この日明かされたのは…
東京建物プロジェクト開発部事業推進グループ 平原康成プロジェクトリーダー:
年度内の補助の対象となる実施設計などの業務に着手できる見込みがなくなっております。
組合が業者にヒアリングしたところ、建設業界における需給のひっ迫や人手不足などから当初のスケジュールで施工できる業者が見つからず、事業計画に遅れが生じていて、この日はその進捗について新潟市の中原八一市長に報告した。

中心市街地の活性化に向けて重点が置かれていた事業だけに中原市長は「スケジュールの遅れは非常に残念」と話した。
市の補助金全額カットも…事業からの撤退は否定
市は2024年度の予算で組合に対し、7億3350万円の補助金を計上していたが、執行のメドがないことから補助金の全額カットを決定。2025年度の補助に関しては、現在検討しているという。

東京建物プロジェクト開発部事業推進グループの平原康成プロジェクトリーダーは「新潟市のにぎわいにとって重要なプロジェクトだと私どもは感じている。予定通り進んでいないのは悔しい。実現性を高めた案で進めるような動きをしていくということに尽きる」と話し、この事業から撤退する可能性を問われるも「それはございません」と明確に否定した。
組合は、着工時期を限定せずに施工できる業者がいないかヒアリングを行っているが、その先行きは見通せない状況が続いている。
(NST新潟総合テレビ)