阿蘇郡高森町に熊本県が所有する約19ヘクタールの土地について、熊本県は2月5日に結婚式場などを展開する企業に売却する方針を明らかにした。今後、阿蘇の自然を生かしながら、キャンプ場やアスレチック施設などを整備する計画だ。

1990年度に2億3800万円で取得も

熊本・高森町上色見にある約19ヘクタールの土地は、1990年度に熊本県が『阿蘇ソフトの村』としてIT関連企業の集積を目指し、2億3800万円で取得。

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しかしその後、景気が低迷し進出企業は1社もなく、計画は頓挫。約30年間有効活用できず、利子などを含めた総投資額は4億7900万円に上っている。

熊本県はTSMCの進出や国際線就航などによるインバウンド需要も見据え、2024年4月にこの土地の譲渡にかかる公募を開始。5社から事業計画の提案があり、1月に熊本に本社を置き結婚式場やレストランなどを展開するマリーゴールドホールディングスと契約することを決めたという。

マリーゴールドホールディングスは『四季美ヒュッゲフォレスト』として、阿蘇の自然を生かした開発を行う構想で、『アウトドアゾーン』としてデイキャンプやグランピング施設、アスレチック施設などを整備する。

また『森林保全活動ゾーン』として協力企業を募り、広葉樹の植樹や水源涵養の活動を行う予定だ。

見通し甘いとの指摘「やむを得ない」

熊本県の総投資額4億7900万円に対し、売却価格は約1250万円。多くの公金を費やす結果となった阿蘇ソフトの村構想について熊本県は「見通しが甘かったという指摘はやむを得ない」とした上で、「今後、地域が盛り上がり、投資額に見合うような付加価値が生まれることを期待している」としている。

マリーゴールドホールディングスは今後3年以内に工事に着手、5年以内の開業を目指す予定だ。

(テレビ熊本)

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