今年の節分は2月2日。その楽しみの一つが、恵方巻きだが、ここにも食材の値上げが影響している。こうした中でも、お客に変わらない価格で楽しんでもらいたいと、恵方巻を販売するスーパーは工夫を重ねていた。新潟市のスーパーを取材した。
鳥インフルで“卵”値上がり「赤字で販売している状況」
新潟市西区にあるスーパー『いちまん』。
食材の価格高騰が続く中、全国的な鳥インフルエンザの発生で、卵は特に値上がりしていた。

この店では、今年に入り落ち着いていた仕入れ値が、1月中旬以降、急激に上昇。
高井栄二朗店長は「2週間前の値段でチラシに掲載するので、赤字で販売している状況になる」と話す。
この日は、卵の特売日となっていて、正午にはすでに売り切れていた。

来店していた客からは「卵がメインで来た。でも他のものも上がっているから麻痺しちゃって…」「高くはなっているが、生産者もお金がかかっているし、鳥インフルとかもあるし仕方がない」などの声が聞かれた。
“恵方巻き”にも値上げの波「内容抑えめに」
この値上げの波は季節の味にも押し寄せている。
バッグヤードで行われていたのは、2月2日の節分に向けた恵方巻きの試作だ。

マグロをメインに色とりどりの食材が美しく重ねられた恵方巻きだが、食材の高騰を受け、今年は工夫が必要となった。
高井店長は「1年に1回、皆さんが食べるものなので、あまり値上げはしたくなかった。内容を抑えめにして、去年と同じ価格で販売することにしている」と明かす。

この店で去年販売した恵方巻きは1058円で11種類の具が入っていたが、今年はここから、かんぴょう・アナゴ・イカが姿を消した。
ほぼ全ての食材値上がり…それでも「満足してもらえるよう」
残る8種類の食材も値上げを免れたわけではない。
コメの仕入れ値は去年の1.3倍、イクラは1.5倍、サーモンは1.2倍に。マグロや海苔などほぼ全ての食材が値上がりしている。

販売価格を維持するため、中身を変更せざるを得なくなったが、高井店長は「それでもみんなで試食して食べたときの満足感とかは、そのまま満足していただけるように改良して作っている」と話す。
値上げの波に飲まれながらも、今年も自信を持って提供する恵方巻き。
「1本単価も安い物ではないので、イベントの一つとしておいしい恵方巻きを食べていただければと思っている」
(NST新潟総合テレビ)