宮崎県串間市の海では、愛らしい野生のイルカの群れが泳ぐ姿が日常的に見られる。しかしその裏で、地元の漁業者は深刻な被害に頭を悩ませているという。定置網や養殖場の網を破られ、魚を食べられるてしまうという被害が相次いでいるのだ。自然の恵みの中で生きる漁業者と野生動物は、いかにして「共生」していくのか。豊かな海で続く模索の現状を追った。

広がる被害

美しい海原が広がる串間市の志布志湾。楽しそうにイルカの群れが泳いでいる。

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ここで小型の定置網漁を営む漁師は、3年ほど前から頻繁にイルカを見るようになったと話す。

漁師によると、イルカは網にかかった魚を狙って外側から襲来する。被害が始まった当初は網に大きな穴が開けられていたが、最近では穴が小さくなっており、イルカが魚を少しだけかじっていくなど、効率的に獲物を得るために学習している様子もうかがえるという。

被害は定置網漁にとどまらず、養殖業にも波及している。

カンパチやハマチの養殖を手がける「マルエイ水産」では2024年、ハマチ約1万6000匹が被害に遭い、損失額は約2500万円に達した。いけすには化学繊維の網を使用していたため、イルカが網の目を広げて隙間を作り、中の魚を引き抜いて食べたとみられる。

マルエイ水産は対策として、いけすの網を金網製に変更。素材を強化したことで、その後の直接的な食害は減少したという。

マルエイ水産 大野隆由代表:
イルカが入ってくると魚は驚いてエサを食べなくなる。そこが被害というか、(今も)影響が出ている。我々も自然の恵みの中で仕事をさせていただいているので、イルカとも一緒に共生して、お互いに害のないような、共生できるような方向にもっていく必要があると思う。

専門家が指摘する定住性の習性

イルカやクジラに詳しい宮崎大学の西田伸教授によると、志布志湾に現れるイルカは特定の海域に定住する習性を持つ「ミナミハンドウイルカ」とみられる。

豊かな漁場で発生した、定住イルカと漁業者の摩擦。被害を最小限に抑えながら、いかにして同じ海で生き抜いていくのか。串間の海では、現在も共生に向けた粘り強い試行錯誤が続けられている。

(テレビ宮崎) 

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