宇土市にある最終処分場の監視井戸から国の指針値の3.8倍となる有機フッ素化合物が検出された。また、この最終処分場から2キロほど離れた宇城市不知火町の水道水源でも国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出されたと宇城市が1月29日に発表した。

監視井戸から有機フッ素化合物を検出

宇城市と宇土市、美里町でつくる宇城広域連合によると、熊本県からの要請で12月20日、管内2カ所の最終処分場の地下水を調査。その結果、宇土市の松山最終処分場の敷地内にある監視井戸から国の指針値の3.8倍の有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)が検出されたと1月28日に明らかにした。

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これを受け、熊本県などはこの処分場から半径500メートル以内にある住宅や事業所の計15カ所の井戸についても調査。調査結果が判明するまで井戸の水を飲まないよう呼びかけていて、対象の世帯には自治体が飲み水を提供している。

松山最終処分場は、宇城広域連合のごみ処理施設から出た焼却灰と破砕した不燃物を埋め立てていたが、2020年4月以降は使われていないという。宇城広域連合は「熊本県と連携し、原因究明を進める」としている。

有機フッ素化合物PFOS・PFOAをめぐっては、全国の井戸などから相次いで検出されていて、熊本県内でも南関町の最終処分場などで国の指針値を超える値が検出されている。

宇城市の一部でも水道水源から検出

また、水道水源で国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出されたのは、宇城市不知火町高良にある不知火町東部第1水源。

宇城市によると、国や県からの要請を受け、12月に市内10カ所の水道水源などの水質を調査。その内、不知火町東部第1水源1カ所から、暫定目標値の約1.8倍の有機フッ素化合物が検出されたという。

宇城市はこの水源を利用する御領地区と高良、柏原地区の一部、計約1600世帯3400人に対して「飲用としての水道水の使用を控えるよう」呼びかけている。

また、宇城市では1月30日から給水車による飲み水の給水を開始していて、原因について「まだ分かっていない」としている。

(テレビ熊本)

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