中国の大型連休、春節が28日からスタート。旅先として人気ナンバー1だという北海道・旭山動物園には、中国人観光客らが殺到した。一方、中国で感染が拡大しているヒトメタニューモウイルスに関して、医師は「日本国内でも拡大する可能性が十分ある」と警鐘を鳴らす。
延べ90億人が大移動…人気ナンバー1は北海道
延べ90億人が移動する中国の大型連休、春節が28日からスタートした。

ぎゅうぎゅう詰めの列車では早速、もめごとが起きていた。

乗客:
座席がないのにたくさんのチケットを売るなんて。
警察:
せっかくの春節なので、もめごとはやめましょう。

春節では爆竹を鳴らして盛大に祝うため、中国・天津市の店では、爆竹を買い求める人で行列ができていた。

一方、2025年、中国人観光客の春節での旅先として、北海道が人気ナンバー1だという。
旭山動物園には、中国人観光客らが殺到していた。

よちよちと歩くペンギンたちもこの大群衆に囲まれ、どこか落ち着きがない。
中国からの観光客は「ネットで見て来た。ペンギンかわいい!」と話した。
“映えスポット”小樽市の船見坂…危険な撮影多発
また、映画やドラマのロケ地として知られる小樽市の船見坂には、青い海とレトロな街並みが撮れる“映えスポット”として、多くの中国人観光客らが訪れている。

しかし、道路に飛び出すなど危険な撮影が絶えない。

近隣住民は「マナーを守らない人が多すぎる。楽しく旅してほしいなと思う」と話した。

また、小樽市内では撮影中の中国人女性が列車にひかれる死亡事故も発生し、28日から警備員が配置された。
春節で日本に押し寄せる中国人観光客。影響が出ているのが宿泊費の高騰だ。
そこで悲鳴を上げているのが、地方から東京にやってくる受験生たちだった。
こうした事態を受けて東京都内にあるカプセルホテルでは、1泊3800円とお手ごろな価格で泊まれ、勉強できるスペースもあることから、受験生の利用が増加しているという。
ヒトメタニューモウイルス…高齢者や乳幼児に重症化の恐れ
さらに心配されるのが、中国で感染が拡大しているヒトメタニューモウイルスだ。

この感染症にかかると風邪の症状を起こし、高齢者や乳幼児の場合、肺炎など重症化する恐れもある。

春節での中国人観光客の大移動によって日本で感染は拡大するのだろうか。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
きょうから春節が本番ということで、ヒトメタニューモウイルスが日本国内でも拡大する可能性が十分にある。うがいや手洗い、外から帰ってきたら歯を磨いて、口腔(こうくう)内をケアしたり入浴する。おもちゃや家具などのこまめな消毒が必要になる。
(「イット!」 1月28日放送より)