いま山形・米沢市では、運営会社の業績悪化によりスーパーマーケットが閉店し、周辺に住む大学生が“買い物難民”となっている。この事態を受け、大学側が構内に食料品の出張販売を設けるなど、支援に動きだした。
最寄りのスーパーは片道30分…
米沢市などでスーパーマーケットを展開していた「キムラ」が、業績の悪化に伴い、2024年12月に営業を停止した。

近くにあった店舗が閉店したことで、山形県立米沢栄養大学と米沢女子短期大学に通う学生にとって“買い物が困難”となる事態に陥った。
特に冬場は雪で買い物に自転車が使えないため、最も近い他のスーパーへは徒歩で片道30分はかかるという。

大学が学生に行った緊急アンケートの結果、「食料品の購入が困難になった」との回答が全体の8割に上った。
“学生思い”の出張販売は反応上々
この事態を受け、大学は米沢商工会議所の協力を得て、大学構内で出張販売を行う業者を募り、市内の小売店や飲食店など3つの事業者が1月8日から構内での販売を始めた。

営業日は事業者ごとに異なり、24日はパンの店や生鮮食品を扱う移動販売店が出店。講義終わりや休み時間の学生たちが食料品を買い求めに訪れていて、「すごくありがたい。頻度としては多くなくても、“学生思い”なのがすごくうれしい。買い物の困難が減るのがいい」「雪が解けたら自転車で買いに行ける。冬の間だけでもこの企画が続くといい」といった声が聞かれた。

県公立大学法人の渡辺博幸事務局長は「毎回多くの学生が利用している。反応は上々。同じようなスーパーが身近にあることが一番望ましいが、当面できないとすれば、こういう取り組みを継続していきたい」と話す。
大学は、春休みに入る2月以降も食料品などの出張販売を続けるとした上で、新年度となる4月以降については、協力事業者をあらためて募集するなど対応を検討する予定だ。
(さくらんぼテレビ)