成人の日。3連休は福岡県内各地で「二十歳の集い」が開かれた。全国的にも注目を集めたのは、北九州市の“ド派手”衣装だ。

2025年も“ド派手”衣装は健在

「全身、赤で統一できたのがポイントかな。やっぱ注目浴びるの、メッチャ楽しいです」と話す赤い衣装を纏った男性。また「(金額は)全部で、あ、もう3ケタ超えちゃってます。120万円前後です。オールピンクで輝くために~」と話す全身ピンクの衣装に身を包んだ女性など、2025年の新たな門出の日にド派手な衣装を纏った二十歳の若者たちが集結した。

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式典には、約8500人が参加。全国的にも注目される北九州市のド派手な式典だったが、警察によると、特に大きなトラブルはなかったという。

厳かな武家の礼法「加冠の儀」

一方、福岡市の飯盛神社で厳かに行われたのは、新成人を祝う「加冠の儀」。武家の礼法「小笠原流」に則った儀式で、地元を中心に2日間で約30人が参加した。

参加者たちは、成人が着用していたという色とりどりの装束を身に纏い、男性には『風折烏帽子』、女性には『高烏帽子』が授けられた。

差した日本刀が本物だと知った男性は「正直、びっくりしましたね。刀とか本物らしくて。引き締まる思い」と話し、また参加した女性は「きょうの所作や知識、学びになりました」と思いを新たにしていた。

早朝から大忙しの貸衣装店

福岡市の貸衣装店。朝一番の予約は6時からで、女性たちが思い思いのメークや振り袖に着飾った。「早い方は3年前からご予約をいただきました」と話す『山田屋・ブラナビプラス』取締役の中村華さん。「昨年に引き続き、白地のお着物が人気かな」という。

福岡市の成人式会場のマリンメッセ福岡には、晴れやかな表情の新成人が集まった。「これまで20年間、ありがとうございます」と母親に感謝の意を告げる新成人の女性。「小さい頃から、あっという間だったんですけど、いろいろ頑張ってきて、大人になれてうれしいなと思います」と母親も感慨深げだ。「日々感謝して、恥ずかしくない人間になりたいです」と女性は誓った。

県内で今年度、二十歳を迎える若者は51,645人。新たに生まれ変わる年とも言われるヘビ年に、大人への第一歩を踏み出した。

各地ではたちの集いに出席した人たちが生まれた2004年・2005年には何があったのか。

「ダイエー」から「ソフトバンク」へ

「新しい球団の名前は、福岡ソフトバンクホークスです」と宣言するのは、孫正義氏。2004年のクリスマスイブ、「福岡ダイエーホークス」から「福岡ソフトバンクホークス」へ新たな球団の名前が発表された。孫氏は「市民から愛されるホークスの名前を変えるのは申し訳ない」と応援歌も変えず「ホークス」の名前もそのまま引き継ぐ形で新球団をスタートした。

当時、チームの指揮を執っていた王貞治監督は「強いチームを作るために孫社長にはバックアップしてもらいたい」と大きな期待をもって迎えた。福岡ソフトバンクホークスとして愛されて20年。2025年の活躍にも期待大だ。

インフラに経済 進化する福岡の街

「一番電車、出発進行!」。2005年2月3日、福岡市地下鉄七隈線が開業した。天神南から橋本駅の約12キロの区間で営業を開始。福岡市の新たな交通インフラとなった。「通勤時間は30分くらい減ったかな」と沿線住民は大歓迎。その後、博多駅まで延伸した地下鉄七隈線。いまでは毎日、10万人を超える人の移動を支えている。

2004年10月1日には、福岡を代表する2つの銀行が九州ナンバーワン銀行を目指して合併。新たな金融機関が発足。西日本銀行と福岡シティ銀行の合併による「西日本シティ銀行」の誕生だ。九州では福岡銀行に次ぎ2番目で、全国の地方銀行でも6番目の規模の銀行の誕生だった。

震度6弱の恐怖 地震への備えは

そして「玄界島の上空です。上空から見ても原形をとどめないほどに壊れてしまった家屋や山の斜面の土砂崩れなどが地震の被害の大きさを物語っています」と福岡市沖の玄界島上空からリポートする記者。福岡市や現在の糸島市などで最大震度6弱を観測した『福岡県西方沖地震』が2005年3月20日、発生した。

3連休中だったこともあり、大勢の買い物客が行き場を失い、福岡市・天神の警固公園には人が溢れた。また近くではビルの窓ガラスが落下。都市の持つ危険性を認識させることになった。その経験は、現在進む『天神ビッグバン』にも生かされている。

そんな時代に生まれ20年の月日を重ねてきた若者たち。彼らが今後、どのような社会を作っていくのか。期待が膨らむ。

(テレビ西日本)

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