熊本県で半導体関連企業の集積に伴い、課題となっている地下水保全に向け、新たな取り組みが始まる。熊本県は12月20日にTSMCの第1工場がある菊陽町など2カ所の観測井戸で、地下水の水位を監視するシステムの運用を12月26日に開始すると発表した。
まずはセミコンテクノパークと県庁を観測
熊本県は、TSMCをはじめとした半導体関連企業の集積に伴い、課題となっている地下水の保全に取り組むため、熊本県内に34カ所ある既存の観測井戸を改修し、地下水の水位をホームページで確認できるシステムの構築を進めている。

12月20日の会見で、菊陽町のセミコンテクノパークと県庁敷地内の2カ所の観測井戸について先行して、12月26日の午前8時から監視システムの運用を開始することを明らかにした。

熊本県環境立県推進課の担当者は「JASMが今月中には量産体制に入るという話も聞いていて、その本格稼働の前と後でどのように地下水位が変化するのかも、県民にリアルタイムで確認してもらい、実態を知っていただきたい」と述べた。
リアルタイムで水位分かり異変あれば調査
具体的にはこの2カ所の観測井戸の地下水の水位を、熊本県のホームページで公開。リアルタイムで水位が分かるほか、同じ箇所の1年前の水位や過去1年間の月ごとの水位の変動もグラフで確認できるということだ。

菊陽町のセミコンテクノパークにある観測井戸では、年間5メートルから10メートルくらい水位の変動がみられるということで、この幅を超えるような水位の変動が確認された場合には、専門家に調査を依頼するなどして、対策を講じる考えを示した。

また、セミコンテクノパーク周辺の合志市にも新たに観測井戸を設置し、2025年3月までに監視システムの運用を始める予定だ。
(テレビ熊本)