「コロナ禍にあまり練習ができなくてスケーターとしての力もすごく落ちてしまった時期があった。もう一回取り戻したい気持ちがあって、この歳で毎日自分に厳しくなるのって本当に大変やから、逆に現役復帰してもうちょっと厳しい環境に置いたらもっと変われるんじゃないかと思って現役復帰しました。もともと試合も好きだったこともあり、その緊張感を久しぶりに味わうとすごく楽しくて、あれよあれよという間に復帰して2年が経ちました」

自分の可能性を見たくなった

しかし、2013年に引退したときは、「いつか復帰する」という気持ちはなかったと振り返る。

「当時はソチ五輪の選考があり、落ちてしまった自分としてはそこで区切りをつけようと決断しました。その間もアイスショーなどに出させてもらっているなかで、自分の中の可能性を見たくなった。フィギュアスケートは10代が活躍するスポーツかもしれませんが、その倍の年齢のおじさんも回れるぞ!あらがえるぞ!って。今の子たちを見ていて、10代で諦めてしまう子が多いなって思ったんです」

そうはいっても現在37歳の織田にとって、現実はそう甘くない。

陸上トレーニング後にトレーナーと話す織田
陸上トレーニング後にトレーナーと話す織田

「後半、足が動かないんです、全然。筋力が無いのか」と練習後にこぼすこともあった。