秋田県の鷹巣農林高校から阪急ブレーブスに入団し、阪急・オリックス~西武~横浜~日本ハムの4球団で捕手を務め、1550試合に出場した。打率.232、55本塁打、349打点の記録を残したが、引退後は日本ハムやオリックスでコーチや二軍監督として指導者の道を歩いた。
パドレスへ留学した中嶋聡
注目すべきは、日本ハム時代の2016年から2年間、GM特別補佐としてパドレスに派遣されていることだ。2018年に帰国した後は一軍コーチに復帰、2019年からは古巣オリックスの二軍監督も務めた。
46歳まで実働29年間マスクをかぶり続けた中嶋は、引退後のパドレスへのコーチ留学で野球の裏表を勉強したはずだ。
各球団も、将来の監督・コーチを選ぶときは人気の高いスター選手OBを物色するのではなく、指導者の資質があるコーチをマイナーリーグに留学させて野球の奥義を学ばせるべきだ。
それでも球団がコーチ留学をさせてくれないなら、自費でアメリカ留学をすればいい。きっと第2の人生の財産になる。

広岡達朗
1932年、広島県呉市生まれ。早稲田大学教育学部卒業。1954年、巨人に入団。1年目からは正遊撃手を務め、新人王とベストナインに選ばれる。引退後は評論家活動を経て、広島とヤクルトでコーチを務める。監督としてヤクルトと西武を日本シリーズ優勝に導き、セ・パ両リーグで日本一を達成。1992年、野球殿堂入り。2021年、早稲田大学スポーツ功労者表彰。