熊本地震前の熊本城宇土櫓の石垣は、見えている部分だけでその高さは21メートルと城内で最も高く、熊本城を代表する石垣だ。熊本地震で膨らみが生じ、崩落の危険があることから、11月21日から復旧に向けた解体が始まった。

宇土櫓の石垣 崩落の危険から解体修理へ

宇土櫓に隣接する続櫓下の石垣は、2016年の熊本地震で最大50センチ以上の膨らみが生じ、崩落の危険があることから、修理の必要性が指摘されていた。

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当初は解体せず、石垣表面に新たな石垣『はばき石垣』を設置して抑える案で検討が進められてきたが、「景観を損ねる」などとして最終的には「解体して修理する案」が採用された。

解体されるのは高さ21メートルのうち、最長で上から16メートル。石垣が築かれたとみられる1606年から1607年にかけてのものも含み、頬当御門側と計約2200個だ。

また解体と並行して発掘調査も行われ、石垣が積まれた確定的な年代など、新たな発見も期待される。

「石垣外すことで中に何か見えてくるか」

熊本城総合事務所・復旧整備課の岩佐康弘課長は「宇土櫓はいつ建てられたか、創建の時期ははっきり分かっていない。そういったところを土台となっている石垣を外していくことによって、中で何か見えてこないか楽しみでもあるところ。しっかりと調査しながら石垣も直す、歴史もひもとくということで進めていく」と、復旧工事での新しい発見に期待を寄せた。

続櫓下の石垣の解体は2025年度まで行われ、その後、耐震補強案などが検討されたあと、2028年度までに積み直しが完了し、現在解体中の宇土櫓の再建が2032年度まで行われる予定だ。

(テレビ熊本)

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