全国では『政治とカネ』の問題の影響で大敗した自民党だが、熊本では県内全選挙区で自民党が圧勝し、野党が敗れる結果となった。今回の選挙結果についてジャーナリスト・鈴木哲夫さんに聞いた。

「庶民の感覚として当たり前の怒り」

尾谷いずみキャスター:自公にとって現実は厳しいものとなりました。この結果についてあらためてどう見ていますか

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ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:当たり前の結果と思う。これまで岸田政権の3年間の総括であったし、裏金問題の処分が甘かった。調査さえ十分にやっていない。それ以外に自民党のガバナンスとかいろんな問題があった。国民としては、有権者としては、これはさすがにダメでしょうと。庶民の感覚としては当たり前の怒り。当たり前の結果と思う

尾谷いずみキャスター:一方で、熊本は自民党が4つの選挙区全てで圧勝という形に終わった。(野党の)復活当選も許さない完全勝利だったが、この結果についてはどのように考える

ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:『自民党しっかりしろ』とお灸を据える意味で『もう一回託すからな』と『しっかりあなたたちが改革してくださいよ』とそういう叱咤激励の票だったと思う。当選した自民党の候補は『やったやった』じゃなくて厳しい一票ということを自覚して改革に向けて先頭に立つぐらいのことをやってほしい

「政権交代の可能性はゼロではない」

一方、鈴木さんは投開票前の10月19日にTKUで放送した番組に生出演し、選挙後の政党の連携について「連立政権ができたときには『自社さ政権』覚えていますか。いちばん数が多い、自民党がバックヤードに回って支えた。立憲が後ろに回ってこれから野党協力でたてていけるか、最大のカギ」と述べていた。

尾谷いずみキャスター:今まさにそのような状況になっていますが、総理指名を前に自民党も立憲もそれぞれがその攻防を繰り広げるわけですよね

ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:野党が、自公で過半数いってないので、単純にいえば野党の数を足せば過半数にいく。だからそういう意味では場合によっては、政権交代の可能性はゼロではない。立憲は役員が集まって執行部が集まってこれから首班指名に向けて訴えていく。

ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:維新や国民民主は慎重だが。そういう結束のために一番力がある。一番数がある立憲がそうやって支える側に回る。一緒にやろうと。ここにかかっている。石破さんも大変だけど、野田さんもこれからが勝負

「来年の参院選に向けてどろどろした政局」

尾谷いずみキャスター:最後に、2025年夏の参議院選挙に向けて、さらにどのような動きが進むと思いますか

ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:(今回の衆院選では)自民党がおかしいよね、野党頑張れよと応援をもらった。ところが急に自民党と公明党と一緒になって政権の方に入ったら来年の参議院選挙、『なんだ期待したのに、結局政権にいったね』と選挙ではものすごくマイナスになる。しっぺ返しを食らう。来年の参院選まで、維新も国民民主も政権と一緒にやるということはない。

ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:自民党の中でも、石破さんでいいのかという石破おろしの動きも出てくる可能性もある。今回の総選挙、一つのけじめにはなったが、来年の参院選に向けて1年ない。ここに向けてどろどろした政局、かけひき、数合わせがしばらく参院選に向けては政局含みかなと思う

(テレビ熊本)

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