政治とカネをめぐる逆風などで与党が議席を大幅に減らす中、熊本県内の小選挙区では自民党の前職4人が圧勝し、議席を守った。この結果を受け、熊本県内の与野党のトップの反応だ。
自民県連・前川会長と公明県本部・城下代表
自民党県連の前川收会長は「全国的な結果は与党で過半数割れとなり、とても残念」と述べた。
この記事の画像(11枚)衆院選の結果を受けて10月28日に会見を開いた自民党熊本県連の前川收会長は、「政治とカネの問題が影響した」と述べた上で、熊本県内での勝因については「県内4人の候補者は政治とカネの問題については無縁だった。(有権者)自らの声の代弁者としてふさわしいかというのは、日常的な活動の中で見えてくる。そういう活動をしっかりやってもらった。我々もまとまって応援する形ができた」と分析する。
また、「全ての選挙区で勝利し、(野党に)比例復活を許していないのは鳥取と高知と熊本だけ。全国的に見てもかなりいい結果を出してもらった。これを次につなげていきたい」と話す。
一方、公明党熊本県本部の城下広作代表は「九州沖縄ブロックで現有議席4議席を確保していたが、結果的には3議席にとどまった。どうしても国民には、景気、経済、物価高で苦しんでいる中で、政治家のお金の処理や感覚をどうしても許せないというのが、我々が思っている以上に国民の中にはもっと深く怒りとしてあったのではないか」と、九州ブロックでの比例の議席1減について分析する。
また、城下代表は「これ以下はないと思って、どう上げていくか今から前向きに検討していく」と、今後について述べた。
立憲・社民・共産の県組織のトップは
一方、投開票から一夜明け、立憲民主党県連も会見を開き、鎌田聡代表は、全国的に立憲が議席を伸ばす一方で、熊本県内では全ての議席を自民党が守り抜いた現状について総括した。
鎌田代表は「(熊本県は)保守が強く、(自民党と)組織力が違う。今回の件で言えば『裏金議員』がいなかった。最大の理由は私たちの取り組みの弱さにあると思う」と述べた。
一方で、野党共闘については「候補者の活動やすみ分けで機能していた」と評価し、今後も継続したい考えを示した。
社民党県連の今泉克己代表は「社民党の存在が熊本3区の有権者に届かなかった。伝わらなかったことは残念に思う」と、支持が拡大しなかった選挙戦を振り返る。
また、今泉代表は「社会民主主義の政党として、どのように伸ばしていくか総括したい」と述べた。
一方、共産党の松岡勝県委員長は「党の課題である無党派層や若い世代に支持を広げるため、20代の奥田さんを擁立した。前回よりも票を伸ばしたが、及ばなかった」とコメント。
今後の野党共闘については、立憲や社民などの県組織と改めて協議する意向を示した。
(テレビ熊本)