27日投開票の衆議院議員総選挙、注目するのは徳島2区。

徳島の重鎮2人が政治生命を懸けて直接対決。

地元の名物・渦潮のように混沌としている。 そこに挑む若手の戦い方とはー

【動画】「愛憎渦巻く」戦い勃発 阿波の国で『重鎮』激突 前知事・自民・維新・共産ぶつかる徳島2区の戦い

■12年ぶりに現職の首相が応援に入る選挙戦

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石破茂総裁:国会議員にもいなくてはならない人、いてもいなくてもいい人、いない方がいい人と、だいたいこの3種類いるのでありますが、山口俊一さんは間違いなく絶対にいなくてはならない人。

公示翌日、自民党の石破総裁が応援に熱を入れたのは、11期34年務めた大ベテラン。

徳島2区の自民党・山口俊一さん。

現職の首相が衆院選で徳島に応援に入るのは実に12年ぶりのこと。それもそのはず…

山口俊一さん:20年一緒にやってきて。結構うまくいってたと思うんだけど。正直、非常に残念な思いです。

これまでにない山口さんの危機感の表れでもあった。

■徳島では抜群の知名度の元知事が出馬

徳島では抜群の知名度を誇る飯泉嘉門さんが無所属で出馬。

5期20年知事を務め、去年の知事選で落選した後、国政に挑んできたのだ。

飯泉嘉門さん:多くの皆さん方からのお声を頂き、2区を選ばさせていただきました。

知事と国会議員として…徳島の政治の中心にいた2人が争う徳島2区は、衰退が進む日本の地方の課題が詰まっている。

山口さんは国会議員を務めて34年。 沖縄・北方担当大臣や財務副大臣なども務めてきたが…

山口俊一さん:まだまだやらなあかんことがいっぱい。頑張っていきます。 それが地方創生です。 地方創生の拠点として、郵便局のネットワークを活用していこう。東京は大学の定数を増やしちゃダメ。地方の大学をもっと充実させていきましょうという法律も作りました。今こそ本当の意味での懸け橋になって皆さん方のために働かせていただきたい。

■地方創生を訴える徳島の重鎮2人 訴えは似ているが…

これに対し…

飯泉嘉門さん:2区がなんでこんなに衰退をしてしまうのか。それはまさに日本の縮図であります。人口の減少、そしてこれに伴う経済の衰退、こちらも目を覆わんばかりです。これを何とかする。

飯泉さんが訴えるのも地方創生。

飯泉嘉門さん:例えばスクールバス。学校の送迎行事以外は空いている。空き時間を全部AIで活用することによって1つのコミュニティバス、これを今あるバスと人手で十分にやることができる。

地方が自由に使える交付金の額も増やし、地域の実態にあったものにしなければと訴える。

飯泉嘉門さん:地方創生が『地方、そうせい!』と命令口調になってしまう何の意味もない。

訴えることが似ている2人。なぜ戦う必要があるのかというと…

山口俊一さん:地方創生の交付金もなんだかんだ言いながら、例えば県の方に差し上げるわけです。当時某知事はですね、自分のお好きなような使いかたをしておられた。結果が今の状況です。

飯泉嘉門さん:多くの皆さん方が先生(山口さん)に話をしても聞いてくれない、実行してくれない、だから実績のある飯泉がやるべきだ。こうした意見も2区の皆さん方から多く寄せられている。

■「お金をかけない選挙を」数人のスタッフと戦う新人の祝さんが維新から立候補

愛憎渦巻く2人の政治生命を懸けた戦いに加わるのが…

祝聡さん:私の名前、祝日の祝、祝うと書いて“ほうり”と読みます。どうか皆さま、名前と顔を覚えていただきますよう。

徳島2区に初めて日本維新の会が擁立した、香川県でゲストハウスを経営する祝聡さん。

「お金をかけない選挙を」と、わずか数人のボランティアスタッフと戦いに挑んでいる。

 祝聡さん:選管に届ける申請書などがなかなか自分でやってみて大変。ここまで手書きなの?と。

インタビュー中に宅配便が。荷物の受け取りも自分で。

祝聡さん:“為書き”ですね。ありがとうございます。いただくと身が引き締まります。

当然、壁に貼るのも自分。いざ、選挙戦が始まると…

祝聡さん:祝と申します。頑張りますのでよろしくお願いいたします。

祝さんが手作りの選挙戦に挑むワケは…

祝聡さん:この30年間振り返り、自分の暮らしがいまだによくなっていない。 景気が良くなっていない。そう実感しています。デフレから脱却して、株価上がっています。企業も業績はあがっています。ただ、自分たちの暮らしが良くなっていない。どうにかして日本を変えていきたい。

■共産からは新人の浜さんが「歪んだ政治を一掃したい」と訴える

共産党からは浜共生さんが出馬。

浜共生さん:これが始まるといよいよ選挙なんだなと。

党の職員として働く浜さん。自身が選挙に立候補するのは初めてだ。 選挙ポスターを取りまとめ、支援者に手渡すが…

支援者:丸めなアカン。自分で。

指示を受けてしまった。

記者:心強いですね。

浜共生さん:いつもはもう少し厳しく、でも温かく。きょうはカメラが回ってるので…いつもより優しいかな。

支援者:いつもどんな恐ろしいんかと思われるでな。ほんまに。

浜さんは、今の大企業優先の政治が庶民の生活を苦しめていると訴える。

浜共生さん:低賃金・長時間労働、不安定な雇用でだれが笑い、だれが涙を流しているのか。このことを共産党は“矛盾”と捉えてすぐに直していこう。

浜さんが“社会の矛盾”を意識するようになったのは、会社員時代に労災事故で入院した時。

浜共生さん:医療従事者のタイトな労働環境。当たり前のように朝帰った人が夕方『こんにちは』ってやってくる。社会・政治を変えていくことで、私たち国民にとって役に立つ制度に変えていく。

浜さんの信念は、ただ一つ。

浜共生さん:大企業優先、財界優先のこの歪んだ政治を一掃していこうではありませんか。

徳島政界の重鎮2人に割って入ることはできるのか。 阿波の国で熱い戦いが繰り広げられている。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年10月17日放送)

関西テレビ
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