宮崎県酒造組合によると宮崎県は焼酎の出荷量が10年連続日本一となっているが、出荷量の推移を見ると少しずつ減少傾向。サツマイモ基腐病の影響など様々な要因があるが、若者の飲酒離れも要因の一つとされている。
「焼酎×カクテル」で、より親しみやすく
こうした中、県内の焼酎蔵とバーの距離を縮め、若者だけでなく、国内外の観光客にも焼酎に親しんでもらおうと10月、宮崎市でオリジナルの焼酎カクテルを競う大会が開かれる。
この記事の画像(6枚)ショートグラスに注がれる、透き通ったオレンジ色のカクテル。メインのリキュールには、県産の焼酎を使い、フランボワーズとプラムのリキュールを合わせた華やかな一杯となっている。
今栖那菜記者:度数は高めですが、トロピカルな風味でとても飲みやすく、焼酎をあまり飲んだことがない方でも楽しめそう。
焼酎のイメージを崩さずにカクテルを作る
10月に宮崎市で開催される、オリジナルのカクテルを競う大会、「ミクソロジーナイト」。大会の「焼酎カクテル」部門では、14人のバーテンダーが県内14の焼酎蔵とそれぞれタッグを組み、カクテルを出品する。
参加者による投票の結果、優勝した作品には、「ひなた本格焼酎カクテル」の称号が与えられ、その後、開かれる焼酎を楽しむイベントで振舞われる。
大会に出場するバーテンダーの有嶋豪嗣朗さん。有嶋さんは出身地の日南市に蔵を構える小玉醸造とペアを組んだ。
有嶋豪嗣朗さん:焼酎は日本人が作っているのもあるが、繊細な味と、みんなが知っている焼酎のイメージを崩さず、かつ、カクテルという要素を合わせながら作るのがとても難しい。
大会に出品するカクテルの名前は「飫肥月華」。九州の小京都と言われる日南市飫肥の城下町を表現した。
世界に「焼酎」を広めるチャンス
「焼酎カクテル」部門は、今回、初めて設けられた。大会事務局は、参加するバーテンダーに、蔵の見学や醸造元との話し合いなどを経て、カクテルを考案するよう依頼した。
ミクソロジーナイト事務局 桑原研郎 事務局長:有嶋さんとペアを組んだ小玉醸造の金丸潤平さん。焼酎カクテルを試飲し、その可能性に期待を寄せる。
小玉醸造 金丸 潤平さん:焼酎は原料の香りがはっきり出る蒸留酒なので、ほかの蒸留酒にも負けないポテンシャルを持っていると思う。カクテルとして使ってもらい、「焼酎」という言葉が世界に広がれば、世界での焼酎の消費も増えていくのではないか。
世界を意識しているのは、事務局も同じだ。
ミクソロジーナイト事務局 桑原 研郎事務局長:海外のユーザーや県外で、なかなか焼酎を日常的に飲まない観光客に「焼酎カクテル」が焼酎に触れるきっかけになればと考えている。
コロナ禍で落ち込んだ飲食業界。今後海外からの旅行客の増加を見据え、「焼酎カクテル」を宮崎の「新しい観光コンテンツ」に成長させるための挑戦が始まっている。
(テレビ宮崎)