自宅で妻を殺害した罪に問われている元長野県議会議員・丸山大輔被告の裁判員裁判が10月16日始まった。被告は「妻を殺害したのは私ではありません」と、起訴内容を否認した。裁判の争点は「被告が犯人かどうか」。審理は4つのテーマ「所在・移動の状況」「動機」「現場の状況」「事件前後の被告の言動」に分けて行われ、12月23日に判決が言い渡される。
「殺害したのは私ではありません」
2022年11月、丸山大輔被告(50)は妻を殺害した容疑で逮捕、その後、殺人の罪で起訴された。 起訴状によると、丸山被告は2021年9月、塩尻市の自宅兼酒蔵で妻の希美さん(当時47)の首を何らかの方法で圧迫し殺害したとされている。

10月16日、長野地裁で開かれた初公判。
一般の傍聴席41席の抽選に300人以上が並び、関心の高さがうかがえる。
丸山被告は黒いスーツに青のネクタイ姿で、法廷に入ると一礼して着席した。やつれた様子はなく、前を見て落ち着いた印象を受けた。

検察が起訴状を読み上げた後、被告は罪状認否で「妻を殺害したのは私ではありません」と、起訴内容を否認した。 弁護側は「丸山さんは当日、議員会館にいた」と無罪を主張した。
検察側「借金、不倫が動機」
一方、検察側は「酒造会社の経営が振るわず、妻の実家から少なくとも4000万円の借金があった」「被告がAさんと不倫関係にあり、交際を続けるには離婚しなくてはいけない」「離婚すると借金の返済を迫られるおそれがある」「被告にとって様々な不利益があり、妻が死亡する選択しか無かった」など殺害の動機について主張した。

争点「被告が犯人かどうか」
この事件では目撃情報が乏しく起訴状などでも殺害を示す直接的な証拠が明らかにされていない。 検察側は間接的な証拠の積み上げにより「犯人は被告以外にいない」と立証する方針だ。 裁判の争点は「被告が犯人かどうか」という「犯人性」。

審理は4つのテーマ「所在・移動の状況」「動機」「現場の状況」「事件前後の被告の言動」に分けて行われる。
裁判は異例の長さとなる23日間(予備日含む)行われ、12月23日に判決が言い渡される。

(長野放送)