妻を殺害した罪に問われている元長野県議の丸山大輔被告の裁判。一審では懲役19年の実刑判決が出されたが、弁護側はこれを不服として控訴。7月2日、控訴審の初公判が開かれ、丸山被告は改めて無罪を主張した。

妻殺害の罪に問われている元県議

「一刻も早く何か手掛かりが見つかって解決してほしい。早く、自分から出てきてくれればそれに越したことはないな」

事件発生から約1年となる2022年9月、長野放送の取材に、こう話していた元長野県議の丸山大輔被告(50)。

殺害された丸山希美さん
殺害された丸山希美さん
この記事の画像(14枚)

2021年9月、長野県塩尻市の自宅兼酒蔵で妻・希美さん(当時47)の首を何らかの方法で圧迫し、殺害した罪に問われている。

東京高裁で開かれた控訴審の初公判には、黒いスーツ姿で出廷。

自身の主張を述べる場面はなく、終始うつむきながら話を聞いていたものの、弁護人が「一審判決には事実誤認がある」などとする控訴趣意書を提出し、改めて無罪を主張した。

妻を殺害したのは私ではありません

2024年、長野地裁で行われた一審でも「妻を殺害したのは私ではありません」と無罪を主張した丸山被告。

丸山被告の裁判員裁判(長野地方裁判所 10月16日)
丸山被告の裁判員裁判(長野地方裁判所 10月16日)

裁判は、被告が犯人であるかどうかの「犯人性」が争点となった。

犯行を裏付ける直接的な証拠がない中、「被告の所在」「動機」「現場の状況・痕跡」「事件前後の被告人の言動」の4つのテーマに分けて審理が進められた。

1審で審理された4つのテーマ
1審で審理された4つのテーマ

検察側は「被告が犯人ではないと合理的な説明がつかず、犯人ではないことはありえない」などとして懲役20年を求刑。

一方、弁護側は「直接的な証拠はなく、被告が犯人であることを証明できていない」などと無罪を主張した。

一審では懲役19年の実刑判決

18日間の審理を経て、長野地裁が言い渡したのは懲役19年の実刑判決。

検察側の主張を全面的に支持し、「被告人が犯人であるという認定に合理的な疑いは残らない」とした。

事件現場
事件現場

判決後、丸山被告は弁護団に「意外な判決でショックを受けている」と語ったという。

判決の2日後、弁護側は「事実誤認に基づく判決で到底許容できない」として控訴していた。

判決は10月1日

7月2日に開かれた控訴審初公判。

弁護側は「一審判決は被告人が犯人であるという仮説を出発点にしており、先入観に基づく判断で、不当」などとして、無罪を主張。

新たな証拠8点の採用を求めたが、裁判所に却下された。

控訴審初公判
控訴審初公判

弁護人は「(丸山被告は)『正しい判断を期待している』。客観的に見て、犯行は不可能で(自分が)できるはずがないと一番言いたいのでは」と述べた。

一方、検察側は、控訴の棄却を求めた。

裁判は即日結審し、判決は10月1日に言い渡される予定だ。

(長野放送)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(14枚)