「私がアイスダンスに移行しようと思った時期がコロナ禍でした。平井絵己先生がフランスのリオンにいらっしゃったので、サマーキャンプや合宿でパートナーを探しながら練習をしていました。
なかなか相手が見つからず、経費がかかったりして。“環境を整える”ことがすごく難しくなりました。パートナーも2~3年くらいずっと探していましたが、日本での拠点とパートナーが見つからないという理由で、この3年半1人で練習をしたり、しなかったり、そういった期間でした」
コロナ禍、かつパートナーが見つからないという苦しく、悔しい期間を過ごしてきた岩野だが、それでも希望は捨てていない。
「アイスダンスに移行できなかった1番の理由は、環境を整えられなかったこととパートナーが探せなかったこと。そして、経費的な問題がありました。ですが、もう少し、チャンスがあればやってみたい気持ちはあります」
憧れの高橋大輔に声かけられ
そんな時、憧れでかつて一緒に練習をしたことのある高橋大輔さんが座長を務める「滑走屋」に声かけをしてもらったことで、岩野は再びスケートの競技会の世界へ足を踏み入れた。
「スケートの競技会に戻る気持ちは今年の初旬も全くなかった」と語る岩野。しかし、「滑走屋」に参加したことで演技を披露する楽しさや幸せを味わったという。

「1番大きかったのは2月に開催された高橋大輔さんがやっていた『滑走屋』にお声がけいただいたことで、昔一緒に切磋琢磨していたチームメイトや、大輔さんと一緒にチームで練習を積めたこと、お客さんの前で自分の演技を見てもらうことが、こんなにも恵まれていることですごく幸せなことだったんだなと改めて実感しました」

そして、改めて「フィギュアスケートが好き」だと気づいたことで、もう一度選手として復帰したい気持ちも湧いてきたと話す。