住民:
最近見てないなと思います。電線に昔はねえ、とまってましたもんね。

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住民:
カラスとかムクドリとかそういう方がね、断然目にしますよ。本当に、危機ですよね。

人々が口々に「姿を見なくなった」と話すのは、“スズメ”です。

環境省などの調査で、スズメなど16種の個体数が今、「絶滅危惧種」の基準に相当するペースで、急速に減少していることが分かりました。

そこで「めざまし8」は、鳥類を研究する認定NPO法人「バードリサーチ」の植村慎吾博士と都内でスズメの実態を調査。まずは、街中の街路樹周辺で探して見ると…。

認定NPO法人「バードリサーチ」 植村慎吾博士:
花壇とかにも結構入ってくるんですけど、ちょっとした草丈が高いですね。ちょっと警戒して、あんまり入らなくなっちゃうかな。

緑がある場所にその姿はありません。さらに、都会ならではのあの場所も探してみますが…。

認定NPO法人「バードリサーチ」 植村慎吾博士:
繁殖期は、例えば信号機がありますよね。そこの中とかで繁殖するんですよ。あとは隙間とかにも入っていったりはしています。うん…、いないですね…。

他にも、スズメがいそうな場所を探してみるも、1羽も見つかりませんでした。そこで郊外に向かうと。

認定NPO法人「バードリサーチ」 植村慎吾博士:
いました。あれ、スズメですね。あ、今あそこ飛んでるのがスズメですね、稲の上を。稲と雑草もちょっと生えているようなので、それの種子を食べているんだと思います。

個体数は減少しているものの、エサが豊富な田畑などには、まだスズメの姿がありました。

スズメ減少の理由と“これから”

植村博士によると、スズメの減少の原因について2つ考えられるといいます。

認定NPO法人「バードリサーチ」 植村慎吾博士:
1つは「スズメが巣として使う場所が減少している」こと。もう1つは、「スズメが餌にしている動物が減っている」という、この2つが考えられます。

家の軒先や、瓦の隙間に巣を作ることが多いスズメ。
しかし、近年はマンションなどが増え、巣を作れる場所が減少。そして、農薬などの影響で、餌となる昆虫が減少していることも原因のひとつだといいます。

このままスズメが減少していくと、どうなってしまうのでしょうか。

認定NPO法人「バードリサーチ」 植村慎吾博士:
スズメは農地でいろいろな昆虫類を食べています。それ(昆虫類)を食べるような鳥が減少すると、それまで抑えられていた昆虫の個体数が増えるので、農業被害が出るとか、そういうことは予想されるかなとは思います。
身近な環境にいっぱいいる生き物。それが減っているっていうことは、必ず何かしらの影響がいろいろ出てくと思うんですよね。認知するだけでも人の行動って変わってくると思うので、そういうことは必要かなと思います。
(めざまし8 10月8日放送)