石破首相は5日、石川県の能登半島を訪れ、9月の豪雨や1月の地震による被災現場を視察し、9月の豪雨被害について、復旧事業の国の補助率を引き上げる「激甚災害」への指定を速やかに行う意向を表明した。石破首相は石川県の馳知事からの要望を受け「激甚災害指定は速やかに行っていく。国として最大限の財政支援するのは当然のことだ」と述べた。
石破首相は午前、9月の豪雨で複数の住宅が流された輪島市の被災現場を訪れ、犠牲者に黙祷を捧げた上で大雨当時の状況や被害について説明を受けた。
その後、1月の地震に伴う火災で焼けた朝市を訪れたほか、輪島市と珠洲市の避難所で被災者の訴えに耳を傾けた。被災者から「どうか助けてください、お願いします。本当に立ち上がれない」と懇願されると、石破首相は「国もわかっているなと思ってもらわないといけんと思っている。よし、立ち上がろうという気にってもらうようにやります。ぜひ何でも言ってください」と応じた。
その後、石破首相は記者団の取材に応じ、今回の視察について「ここにお住まいの方々の、なんで自分たちだけこんな目に遭わねばならんのだろうという悲痛な叫びに、きちんと応えることが政治の責任であるということを改めて痛感した次第だ」と語った。
また、自民党総裁選で自身が掲げた防災省の設置構想については、「まず当面は内閣府防災担当の予算・人員を飛躍的に拡充する。そして内閣府の外局としての防災庁の創設を図る」と述べた上で、「防災省という名前はともかく、そういうものの設立に向けてはかなり濃密な議論をしていかねばならない。少し時間はかかるが、きちんと時間的な感覚を持って進めていきたい」と意欲を示した。