ーー40代の約7割が「老眼鏡に抵抗がある」という結果を、どのように受け止めている?

40代といえば、社会経験が成熟し、まだまだこれから活躍できる勢いのある年代である反面、身体的には折り返し地点と言われ、変化が現れ、実感しはじめる年代でもあります。

今まで似合っていたものが似合わなく感じたり、見た目に自信が持てなくなったり。まだまだ活躍できる!という気持ちに対し、老眼だけでなく加齢による身体的変化の自覚症状に戸惑い、ネガティブな印象を持つ方が多いのかもしれないと思いました。

一方、50代60代になると抵抗が薄れるのは、自覚症状が顕著となり、受け入れざるを得ないという単純な面と、近年女性を中心にグレイスヘアなど、年齢による変化をポジティブに楽しもうという社会的風潮の高まりの影響があるように思います。

 老眼と分かりやすく“老けて見える”仕草 眼鏡をおでこに上げる「デコメガネ」(提供:株式会社ビジョンメガネ)
 老眼と分かりやすく“老けて見える”仕草 眼鏡をおでこに上げる「デコメガネ」(提供:株式会社ビジョンメガネ)

ーー老眼鏡を使わないなど、老眼対策をしないとどんなデメリットがあるの?

老眼対策をせず我慢していると、以下のようなデメリットがあります。

・目の疲れを感じやすくなる
小さな文字を読もうと目を酷使することで、目が疲れやすくなります。

・頭痛や肩こりにつながる
目の疲れは頭痛や肩こりなど身体的不調につながると言われています。加齢とともに、頭痛や肩こりが起こりやすくなったと感じたら、目が頑張りすぎているせいかもしれません。

・集中力の低下、趣味が楽しめなくなることも…
手元が見えづらい煩わしさ、目が疲れやすいことが原因で、本や新聞を読むことが億劫になったり、PC作業が疲れるなど、作業効率が落ち、集中力が低下する可能性があります。読書や手芸、プラモデル作りなど趣味に夢中になっていたのに、50代60代になると目が疲れやすく、集中力が続かないと言われる方もいます。

・見間違いが多くなる
細かい文字が読みづらくなるため、「パとバ」や「6と8」などの見間違いが起こります。買い物で化粧品の品番や価格の見間違いが起こるなど、生活に支障が出ることもあります。

・食事の楽しみが減少する
料理の彩りやお米の粒がくっきりと見えることで、食事の時間が楽しくなったり、美味しく感じたりと、食事には視覚的効果が影響すると言われています。老眼になると、お米の粒が白い塊に見えたり、お魚の骨が見えづらいなどで楽しみが減ったり、食べることが億劫になることもあるようです。

実際に、老眼対策で遠近両用メガネを作られた方から「ご飯の粒が良く見えるようになった!旅先での食事が楽しくなった!」といったお声を頂戴することがあります。

・ピント調節が困難になる
対策をせず我慢し続けたり、放っておいて60代を過ぎ、我慢できなくなってから「そろそろ対策しよう!」と思っても、遠近両用など累進メガネ(1枚のレンズに異なる度数を入れたもの)を使いたい場合、慣れづらいということがあります。

老眼と分かりやすく“老けて見える”仕草 顔から離して眉間にシワを寄せながらスマホを見る「般若顔」(提供:株式会社ビジョンメガネ)
老眼と分かりやすく“老けて見える”仕草 顔から離して眉間にシワを寄せながらスマホを見る「般若顔」(提供:株式会社ビジョンメガネ)

ーー防ぐことはできる?

老眼は加齢による自然現象なので、完全に予防したり治したりすることはできないと言われています。


ーーでは、進行を遅くする方法はあるの?

次のような対策が老眼の進行を緩やかにする、また、老眼になった際の目の疲れを軽減するという情報があります(※効果効能を保証するものではありません。また、個人差があります)。

・画面を見続ける時間を減らす
スマートフォンやパソコンなどの画面を見続けることは、目の疲労を蓄積します。米国眼科学会が推奨している、20分に1回20秒間、20フィート(約6m)先を見る「20-20-20ルール」を実践しましょう。

・適度な睡眠をとる
睡眠不足は目の疲労を悪化させると言われています。質の良い睡眠を7~8時間程度とるようにしましょう。

・目を温める
ホットアイマスクや蒸しタオルなどで目を温めると、血行が促進され、目の疲労回復に効果があります。

・目の周りの筋肉をほぐす
目の周りの筋肉をほぐすマッサージは、目の疲労軽減に効果があると言われています。眼球を上下左右に動かしたり、指で目の周りのツボを押したりしましょう。

・栄養バランスの良い食事を摂る
ビタミンAなどの目に良い栄養素を積極的に摂取したり、ルテインのサプリなども効果的と言われています。

・紫外線対策をする
紫外線は、目にダメージを与え、白内障や加齢黄斑変性などの目の病気を引き起こすと言われています。日差しが強い季節や時間帯には、UVカット機能が搭載された眼鏡やサングラスを使用して目を守りましょう。

・定期的に眼科を受診する
定期的に眼科を受診し、目の状態をチェックしたり、目の病気など早期発見を心掛けましょう。