前日にできることが限られるとなると、運動会当日に「お父さん、今日出番あるよ」と明かされた場合は、さらに準備が難しいだろう。“出番直前”にできることはあるのだろうか?

けがをしにくいフォームは「大きな歩幅」

前教授によると、前日の準備と同じく、ストレッチは「出番の直前まで続けなければ」大きな効果は見込めない。出番までに体をほぐしておきたいという人は、あらかじめ出番の時間を確認し、直前まで脚の後面の筋肉(ハムストリング、腓腹筋など)を伸ばす運動をしておくのが良い。

また、けがをしないために「テーピングをする」「サポーターをつける」などは不要。これらはけがをした箇所を補助するためのものなので、体の柔軟性を上げたり、けがをしにくくする効果はないという。

安易なサポーターの着用は不要!
安易なサポーターの着用は不要!

そんな中、心がけたいのは「けがをしにくいランニングフォーム」だ。

前教授によると、ポイントは「1つのステップを大きくするようなイメージで走る」こと。速く走ろうと思って小さな歩幅にするよりも、大きい歩幅で足を前に出すことを心がけることで、体がついてくるようになり、転びにくくなるそうだ。
 
そしてもう一つ大事なのが、やはり「8割の力」で走るということだ。
 
「雨が降った後の駅のホームは、全力のスピードではなく気を付けながら歩きますよね。それと同じイメージで『8割の力』で走れば、けがは少なくなると思います」

ちなみに「学校のグラウンド」という環境も、けがの原因のひとつだそう。表面がサラサラとした砂で覆われた硬い地面は滑りやすいため、特にリレーなどで走るカーブ地点は注意してほしいという。

「カッコいい姿」は来年に向けて作ろう

今年できる一番大切なことは、全力で張り切りたい気持ちを抑えて「8割の力で挑む」こと。もしそれでも「全力で走る格好いい姿を見せたい!」と思う親は、ぜひ来年に向けてけがをしない体を作っていってほしい。

「たとえば『来年の運動会では、100mをしっかり走りたい』という人は、最初は50mを1日5~10本ほど走って慣らしていきながら、次は100mと徐々に距離を伸ばして、1年先に『100mを何本か走れる状態』を作るということが大事かなと思います」

ちなみに、出番のあと襲ってくるかもしれない筋肉痛への対策も、日常生活に戻るためには大切。出番が終わったらしっかりとアイシングしてクールダウンし、ストレッチ。さらに、家に帰ったらお風呂に入って筋肉をほぐしてほしい。

プライムオンライン特集班
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