少々悲しい事実だが「若いころの気持ちを思い出して」と張り切るのが危険だということはわかった。
「全力で走る」のは避けるとして、けが対策としては「ストレッチする」「湯船で体をほぐす」などが浮かぶだろう。しかし、前教授によると前日にできるのは「運動しやすい服の準備と、参加種目の確認」のみだという。
「普段履き慣れているスニーカーにジャージなど、運動のための服装をしてください。中には革靴で運動会にきて、突然走ることになるお父さんなどもいますが、けがの観点からすると望ましくありません」

前教授によると、しっかりとしたストレッチを10~20分行ったとしても、その持続効果は1時間ほど。また、お風呂で体をほぐすのも、リラックス効果はあるものの、翌日まで体の柔軟性が続くことはないという。
また、走る気満々でいたものの、実は参加種目は綱引きだった。そんな「思いがけない運動」もけがの原因になってしまうようだ。
「これは保護者参加の種目を事前に教えてくれる、両親向けの案内をするといった学校側の協力も必要ですが、あらかじめ種目を知っておくこと。たとえば1、2カ月前からリレーだとわかっていたら、一度8割くらいの力で走ってみて、足腰の状態を確かめておくということはできるかと思います」