山形花笠まつりで使われる花笠の生産が盛んな飯豊町で、中学生が花笠の原料「スゲ」を使った手仕事に挑戦した。花笠を作る後継者が不足する中、地元の文化を若い世代に知ってもらうのが狙いだ。

地域の大切な文化を次世代へ

飯豊町の旧中津川小中学校に集まったのは、飯豊中学校の1年生たち。町の文化や特産品について学ぶ地域学習の一環で生徒たちが挑戦したのは、町で採れる植物「スゲ」を使った手仕事だ。

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なかつがわ農家民宿組合の人たちが講師となり、スゲを縦と横に組み合わせてオリジナルのコースターを作った。飯豊町中津川地区は、古くから冬の手仕事として「菅笠」作りが盛んで、ここで作られた笠は「山形花笠まつり」などで山形の夏を彩ってきた。

しかし今、課題となっているのが「担い手不足」。高齢化によって、2023年は11人いた編み手が次々と引退し、2024年は6人と半数近くにまで減少した。地域の人は「『花笠』を作る前は農家の『雨笠』。昔はみんな『笠』と『みの』だった。農作業用の笠の産地だった。(Q.いま、何人かしかいないというのは?)寂しいです」と語った。

長く受け継がれてきた“スゲを使う文化”を若い人にも知ってほしいという地域の人の思いに触れた中学生たちは、「人数が減っても、高齢になっても、自分たちで頑張ってやっている中津川の人たちはとてもすごいと思った」「どんどん人は減っていくけど、こういう伝統的なものはちゃんと大切に、自分たちが大人になっても守っていきたい」などと話した。

なかつがわ農家民宿組合・伊藤和憲組合長は「子どもたちが民宿のおかみさんたちと一緒に学べたことは、子どもたちにも一生残るし、大事な伝統だと覚えておいてもらえれば最高です」と語る。

地域の大切な文化を次の世代へ。もしかしたら、この中から将来の菅笠づくりを受け継ぐ担い手が現れるかもしれない。

(さくらんぼテレビ)

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