宮崎県高千穂町の「杉本商店」は、大阪・関西万博で乾しいたけを使った寿司を提供し、原木栽培のしいたけのうまみや食感をPRした。杉本商店の杉本さんに万博への意気込みを聞くと「乾しいたけを守るきっかけにしたい」と話していた。

宮崎県高千穂町の乾しいたけの卸売業者「杉本商店」が出展したのは、5月6日の世界に誇る日本の健康的な食材を紹介する展示会。ここで、原木乾しいたけを使った「寿司」を振る舞った。完全菜食主義の「ヴィーガン」の人も食べることができ、アワビのような食感とともに、うま味と香りが広がる。

杉本商店 杉本和英社長:
海外の皆さんは、キノコには旨みがあることは何となくは知っていて、その「うまみそのものの力を持っているのが、原木栽培のしいたけだよ」っていう話をすると、皆さん「おー」っと非常に驚かれるような感じ。

実際に高千穂町の飲食店で提供されている、乾しいたけを使った「しいたけ南蛮」などの料理は、国内外の観光客に好評だ。

ドイツ人観光客:
とにかく美味しくて、とてもジューシーでソースとよくあう。

会場では、乾しいたけを粉末にしたパウダーも配布。外国人だけでなく、普段の料理で乾しいたけを使わない日本人にも、手軽に原木栽培ならではの「うま味」を感じてもらうことが狙いだ。

杉本商店 杉本和英社長:
「かけるだけですぐに使えます」という、しいたけの粉みたいなものは、もしかすると新しいマーケットを開くヒントを見つけてくれるんじゃないかと思って、これを紹介しようと思った。

杉本商店は農林水産省の輸出プロジェクトに参加していて、2024年は約1.3トンをアメリカなどに輸出している。

一方で、乾しいたけは、需要の低迷や生産者の高齢化による生産量の減少が課題となっていて、杉本社長は万博を「乾しいたけを守るきっかけにしたい」と意気込んでいる。
杉本商店 杉本和英社長:
新しい市場を作っていって 新しい生産者が入ってくる、そういう循環を作っていかなきゃいけないと思う。万博は、ものすごくいいチャンスなんじゃないかなと思っている。

国内外の食品バイヤーや外食産業関係者の来場を機会に、主催する農林水産省では、今後の輸出や販路の拡大につなげたいとしている。
(テレビ宮崎)