食欲の秋。お刺身もおいしい季節だ。そこで注意したいのが、サバなどの魚に寄生するアニサキスによる食中毒「アニサキス症」だ。 

スケトウダラの肝臓に寄生するアニサキスの幼虫(画像提供:国立感染症研究所)
スケトウダラの肝臓に寄生するアニサキスの幼虫(画像提供:国立感染症研究所)
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経験した人は、「もう二度となりたくない」と言うほどの苦しみだというが、どのような症状なのだろうか。実際にかかった場合どうすればいいのだろうか。 

昭和大学医学部准教授の鈴木慎太郎さんに症状と実際になった時の対処法を聞いた。 

七転八倒する痛み 

「アニサキス症は、サバ、タラ、サンマなどの魚に寄生するアニサキスという寄生虫が、人間の消化管の粘膜に突き刺さることで起こる病気です。『突き刺さる』といっても、噛みつくのではなく、モグラやトンネルの掘削機のように消化管の粘膜に潜り込んでいくイメージです」 

胃の粘膜に潜入するアニサキスの幼虫(画像提供:国立感染症研究所)
胃の粘膜に潜入するアニサキスの幼虫(画像提供:国立感染症研究所)

アニサキスが消化管に刺さると、激しい腹痛、吐き気、下痢などが起こるという。 

「特にお腹の痛みは激烈で、七転八倒し、病院に駆け込む人も多いです」