少年たちのひと夏の冒険を描いた不朽の名作映画「スタンド・バイ・ミー」。
この映画を手掛けた監督のロブ・ライナーさんの自宅で、本人と妻の遺体が見つかった事件。
2人を殺害した疑いで逮捕されたのは、32歳の息子でした。
事件現場となった自宅前には多くの報道陣が詰めかけ、騒然としています。
クリスマスの飾りで彩られたライナーさんの自宅。
ここで2人は、ナイフのようなもので刺されたとみられています。
近隣住民は「本当に悲しいです。彼はとてもいい人で、魅力的でしっかりした人でした」と語りました。
ライナーさんは映画「スタンド・バイ・ミー」のほか、「最高の人生の見つけ方」など、数多くのヒット作を生み出した名監督。
妻のミシェルさんは、トランプ大統領の自伝の表紙写真を撮影した元写真家でもありました。
そして、逮捕された息子のニック・ライナー容疑者。
アメリカメディアは事件前夜にライナーさんとニック容疑者が、知人のパーティー会場で激しい口論になっていたとも報じています。
さらに過去には、薬物乱用により15歳で初めてリハビリ施設に入り、少なくとも17回入退所を繰り返していたといいます。
その実体験をもとに、2015年にはライナーさんとニック容疑者が親子共同で制作した映画「ビーイング・チャーリー」を公開。
当時のインタビューで、親子の関係について次のように語っていました。
息子のニック・ライナー容疑者(2015年当時):
私は幸運だと思います。親が私のことを気にかけてくれているから。外に出てドラッグなどを使うと、すごく罪悪感を覚えました。なぜなら「今まさに両親は私のことを考えているんだ」と思ったから。両親は私にいい息子であってほしいと思っています。親の中には子どもに関心がない人もいるので。
父のロブ・ライナーさん(2015年当時):
息子は心の奥底では私たちが彼を愛し、彼のそばにいると分かっていたのです。それがせめてもの救いでした。息子は立ち直ろうとしていたのです。私たちが犯した間違いは、彼のその気持ちを信じなかったこと。
映画では、主人公が薬物から再生し、家族の絆を確かめるという結末に。
今回の事件が薬物によるものなのかまだ分かっていませんが、現実の親子関係は最悪のエンディングを迎えてしまいました。