愛媛県の小学6年生は、身長175cm、体重114kgという大人顔負けの体格。小学1年生で始めた相撲の全国大会で「大関」になった。多彩な技と勝負への集中力も持ち味で、冬の全国大会では「横綱」を目指す。
体格の良さを生かす相撲との出会い
気合を入れて監督と相撲の稽古に励むのは、松山市の石井小学校の6年生・兵頭竜ノ助選手。
この記事の画像(9枚)身長175cm、体重114kg、足のサイズは30cmで、学校の制服もサイズがないという大人顔負けの体格をした小学生だ。地元の勝山仁桜相撲クラブに通っている。
相撲との出会いは小学1年生の時で、この時すでに身長135cmで体重は58kgあった。「体格の良さを生かせるのでは」と参加した体験会で、様々な武道を体験した。
中でも、相撲には幼稚園の頃から憧れていたと言い、兵頭選手は、ほかの競技よりも多く体験して「監督に誘われた」と話す。
勝山仁桜相撲クラブの岡本直丈監督は「一目見た瞬間から『この子はすごい。デカい』と思って声をかけた」という。「まさか1年生とは思わなかった」と岡本監督は振り返る。
全国大会で大関に 決勝の相手は横綱
岡本監督の見込んだ通り、兵頭選手は楽しみながら技を増やし、相撲のおもしろさにのめり込んでいった。勝負に対する類いまれな集中力を発揮して、2024年の夏には予選を勝ち抜き、愛媛代表として2024年8月の「わんぱく相撲全国大会」に出場した。
会場は相撲の聖地・両国国技館で、小学4年生から6年生が、学年ごとに108人のトーナメント方式で戦う。
兵頭選手は3年連続で出場した経験を生かし、初戦を勝って勢いに乗った。破竹の快進撃で決勝まで勝ち上がった。決勝の相手は114kgの兵頭選手よりさらに大きな2023年の横綱選手だった。
「決勝は自分より体重が重たくて、怖くなってしまって、よけて負けてしまいました」と兵頭選手は話した。
また、「決勝までいけたこと、大関になったことはとてもうれしくて、泣いてしまいました」と試合後の心境を振り返った。
兵頭選手はわんぱく相撲の番付で「大関」になり、団体戦でも準優勝に貢献した。
冬の全国大会で優勝を目指す
勝山仁桜相撲クラブは護国神社の土俵で稽古をする。
兵頭選手は主将を務め、クラブをまとめている。下の選手たちに胸を貸す様子はすでに貫禄もある。
夏の全国大会で味わった達成感と悔しさを糧に、さらなる高みを目指す。次の目標は、12月に行われる全国大会で「1位をとりたい」と、夏に土俵へ置き忘れた優勝を狙いに行く。
石井小6年・兵頭竜ノ助選手:
諦めたらいけないから、前に進んでがんばる。
自分より大きな相手にもひるまず「諦めずに前へ進む」。兵頭選手は大好きな相撲で精進し、登り竜のように頂点を目指す。
(テレビ愛媛)