「工場勤務は高卒レベル」などと不適切発言をした新潟県上越市の中川幹太市長に対する不信任決議案が議会の9月定例会に提出されたが、否決された。この結果を受け、中川市長は改めて続投の意思を示している。
不適切発言の上越市長へ不信任決議案
9月2日に開かれた上越市議会の9月定例会。
上越市 滝沢一成 市議:
これからの停滞・混乱を避けるためのもの。上越市政を前に進めるためにそのように考え、市長への不信任決議案を提出いたします
冒頭で提出されたのが、中川幹太市長への不信任決議案だ。その発端は、2024年6月の中川市長の議会答弁にある。
この記事の画像(4枚)「工場では高校卒業程度のレベルの人が働いている」などと学歴差別ともとれる発言したことを受け、市議会が辞職勧告を突きつけるが、中川市長は続投を表明。
これに納得のいかない市議が不信任決議案を提出する事態となった。
市議会初の不信任決議案 採決の結果は“否決”
不信任決議案に賛成の市議は「市民の信頼を失う発言を繰り返し、そのことを指摘して反省を求めた市議会に対しては開き直るという主張では市民の暮らしを守れないばかりか、市民の利益を限りなく失わせることは明白」と主張。
一方で、不信任決議案に反対の市議は「市長を失職させるという目の前のことではなくて、これからの上越市、行政市民生活を考え、苦渋の決断ではあるが、本発議案には反対する」と述べた。
市議会としては初めて提出された不信任決議案。
採決の結果、臨時会での辞職勧告の可決から一転、賛成11票、反対21票の反対多数で否決された。
市長は改めて続投の意思示す「不退転の決意で」
この結果に、中川市長は不適切発言についての反省の弁を述べた上で改めて続投の意思を示した。
「皆さんとの信頼関係(回復)には、これから公約や政策の実現に向けて職責を果たしていくことが一番。これは不退転の決意でやっていかなければいけないと思っている」
中川市長の続投に上越市民からは「きちんと新たに市のため、市民のために働いてほしい」「これだけみんなに騒がれたのだから、騒がれたことを反省して市民のためにどうしたらいいか考えてほしい」などと話した。
自らの不適切発言によって市政に大きな混乱を招いた中川市長。同じ過ちを繰り返すことがないか、その言動に多くの人が注目している。
(NST新潟総合テレビ)