立憲民主党のリーダーを決める代表選挙が9月に行われる。
自民党総裁選も混戦模様となる中、立憲代表選も9月7日告示・23日投開票に向け、動きが活発化している。
世論調査(8月24日・25日、全国有権者に電話調査)では、これまでに立候補表明、もしくは取りざたされている候補について、次の代表に最もふさわしい人を聞いたところ、「野田佳彦元首相」20.1%、「枝野幸男前代表」16.4%、「泉健太代表」6.6%、「江田憲司元代表代行」2.5%、「馬淵澄夫元国交相」2.1%、「小川淳也前政調会長」1.2%、「西村智奈美代表代行」1.2%となった。
このほか、調査後に当選1回の吉田晴美衆院議員も立候補を目指す意向を表明している。 

質問では、「この中にはいない」、「わからない・言えない」との選択肢にあわせて50%の回答があり、構図が変動する余地が大きい状況にあると言える。 

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【次の立憲代表にふさわしい人】 
野田元首相   20.1% 
枝野前代表   16.4% 
泉代表      6.6% 
江田元代表代行  2.5% 
馬淵元国交相   2.1% 
小川前政調会長  1.2% 
西村代表代行   1.2%
この中にはいない・いえない・わからない 50.0% 

立憲支持層では、野田氏、枝野氏が拮抗 

立憲民主党の代表選は、8月国会議員の272票に加え、国政選挙の後任候補予定者98票、地方議員185票、党員サポーターの185票の合計740ポイントをめぐり選挙が行われる。 

自民党は、国会議員票が総ポイントの半分を占めるが、立憲代表選では、国会議員票の割合は、4割以下で、国会議員以外のポイントが、選挙ではよりウェイトが重い仕組みとなっている。 

そこで調査では、立憲民主党支持者に限って、次の代表にふさわしい人を聞いたところ 、「野田元首相」37.8%、「枝野前代表」36.1%と2候補が支持を伸ばしてトップ争いという構図がうかがえる結果となった。
次いで「泉代表」9.5%、「江田元代表代行」6.0%、「小川前政調会長」1.1%、「西村代表代行」0.6%、「馬淵元国交相」0.4%となった。

立憲支持層に限った質問では「わからない・言えない・この中にはいない」といった答えは8.5%まで急減し、有権者の中の立憲支持層が、そのまま立憲サポーターや立憲所属の地方議員ではないものの、より実態に近い状況を示す結果といえる。 

【次の立憲代表にふさわしい人×立憲支持層】 
野田元首相   37.8%
枝野前代表   36.1%
泉代表      9.5%
江田元代表代行  6.0%
小川前政調会長  1.1%
西村代表代行   0.6%
馬淵元国交相   0.4%
この中にはいない・わからない・言えない 8.5% 

若年層の支持は枝野氏、高齢層の支持は野田氏 

さらに、有権者を年代別に見ると、30代以下の支持は枝野氏がトップ、次いで泉氏が2番手、中間世代は拮抗(きっこう)し、60代以上は野田氏がトップという傾向が明らかになった。 

【次の立憲代表にふさわしい人×年代別】(以下年代別上位3人) 

 【20代以下】      【30代】 
枝野氏 13.8%     枝野氏 20.0%
 泉氏  6.0%      泉氏 7.8%
野田氏  4.7%      野田氏 5.2% 

 【40代】       【50代】
野田氏 18.4%    枝野氏 21.0%
枝野氏 15.7%    野田氏 18.8%
 泉氏   5.5%    泉氏  7.7%

 【60代】       【70代以上】
野田氏 26.5%    野田氏 32.8%
枝野氏 15.8%    枝野氏 13.9%
 泉氏  7.3%     泉氏  6.1% 

また、性別で見ると、女性は枝野氏がトップ、男性は野田氏が、トップとこちらも野田・枝野両氏が競う構図となっている。 

【次の立憲代表にふさわしい人×性別】 

     女性   男性
野田氏  15.6%  24.9%
枝野氏   17.2%  15.5 %
泉氏    6.2%   7.1%
江田氏   1.9%   3.1 %
馬淵氏   2.2%   1.9%
小川氏   0.4%   2.0%
西村氏   1.7%   0.7%

立憲中心の政権交代への期待急落 

岸田政権の支持率が20%台で低迷する中、次の衆院選で与野党勢力の逆転が起きた場合、野党第一党の立憲代表は、次の首相をうかがう立場となる。
世論調査では、春以降、政権交代を望むかどうかについて質問を続ける中で、政権交代を望む機運が高まっていたが、8月の調査では、「自民公明を中心とした政権継続」を望む声が52.6%と、7月に比べて13ポイント以上高まり、「今の野党中心の政権交代」は36.8%と、10ポイント近く急落、政権交代の機運は急激にしぼんだ。

これは岸田首相が総裁選への不出馬を表明し、退陣が確定したことで、有権者の中に、次の自公政権を見定める意識変化が生じたといえるが、野党は立憲に限らず、看板の掛け替えでは実態は変わらない、として自民党を批判し、政権交代を訴えている。 

【衆院選後の政権の枠組み】(カッコ内は7月調査)
自民公明中心の政権継続  52.6%(39.3)
今の野党中心の政権交代  36.8%(46.0) 

9月23日にまず立憲民主党が次の代表を選出したことを受ける形で、27日に自民党の新総裁が選出される。
与野党第一党のそれぞれの顔が定まったところで、両党の党員・サポーター以外の有権者が新陣容に対して民意を示す機会となるのが、衆院選挙となる。

世論調査で、次期衆院選のふさわしい時期について質問したところ、最も多かったのが「年内」47.1%、次いで「来年(2025年)10月の衆議院議員の任期満了近く」27.2%、「来年の早い時期」20.0%となった。
与野党問わず、永田町では、次の新首相就任後、年内に解散・総選挙となる見通しが強まっていることと、有権者の意識は連動する形となっている。 

自公政権継続か、野党政権交代かを見据える指標の1つが、政党支持率となる。
8月調査では、「自民」33.0%と、7月調査から8ポイント近く大幅回復を見せた。
「立憲」は7.0%と前月比約1ポイントとわずかながら回復、以下、政党の所属議員順に「維新」2.6%、「公明」4.2%、「共産」1.7%、「国民」1.3%、「れいわ」2.1%、「教育」0.0%、「社民」0.2%、「参政」0.1%、「みんな」0.1%となった。 

【政党支持率】(カッコ内は7月)
自民  33.0%(25.1)
立憲  7.0%(6.1)
維新  2.6%(2.6)
公明  4.2%(2.8)
共産  1.7%(4.1)
国民  1.3%(1.3)
れいわ 2.1%(2.7)
教育  0.0%(0.0)
社民  0.2%(0.5)
参政  0.1%(1.0)
みん  0.1%(0.0) 

西垣壮一郎
西垣壮一郎

フジテレビ報道局 政治部デスク 世論調査担当
2000年から政治部担当で報道記者・報道番組プロデューサーを歴任。
政治部官邸キャップ、自民党キャップ、野党キャップなどを担当。
ワシントン支局特派員(ブッシュ政権~オバマ政権)「BSフジLIVEプライムニュース」総合演出、「日曜報道 THE PRIME」プロデューサーなどを経て現職。
趣味は釣り。