MLBは2006年から「PITCHf/x」というスピード測定システムを導入し、試合での投球の球速、軌道、変化量などをオンタイムで表示、公開し、データ野球に革命をもたらしたが、「トラックマン」を活用することで、このシステムをさらに進化させた「スタットキャスト」を開発した。

「トラックマン」と光学高精度カメラを組み合わせることで、投球だけでなく打球もデータ化し、解析することを可能にした。

「スタットキャスト」は2014年の試験運用に続き、2015年にはMLB全30球団に設置された。

MLBでは「トラックマン」は「スタットキャスト」に組み込むトラッキングシステムとして普及したのだ。

これによって投手の球速、回転数、変化量、打者の打球速度、飛距離などのデータは瞬時に公開され、ランキングされるようになった。

平たく言えば「選手のポテンシャル」が、丸裸になったのだ。

NPBで最初に導入したのは楽天

MLBではMLB機構が主導して「スタットキャスト」のシステムに組み込む形で「トラックマン」がすべての球場に設置されたが、NPBでは、個別の球団が各球団の本拠地球場に「トラックマン」を単独で設置する形で普及が始まった。

最初に導入したのは、東北楽天ゴールデンイーグルスだ。

「スタットキャスト」がMLBで導入されたのと同じタイミングの2015年に本拠地の楽天Koboスタジアム宮城(現楽天モバイルパーク宮城)に設置された。

その後、埼玉西武ライオンズなどが次々とNPB球団の本拠地に設置した。

「トラックマン」の導入を推進したのが、トラックマン野球部門責任者の星川太輔だ。