岸田首相が、総裁選への不出馬・退陣を表明して、動きが活発化する自民党総裁選は、過去最多の立候補となる見通しで、混戦の様相が強まっている。
FNN世論調査(8月24,25日全国の有権者に電話調査)では、「ポスト岸田」として、最もふさわしい総裁候補について聞いたところ、小泉進次郎元環境相が22.4%と、トップの支持を得た。
続いて、石破茂元幹事長が21.6%と僅差で続いた。
3番手は、高市早苗経済安保相が10.8%、26日に立候補を表明した、河野太郎デジタル相が7.7%となった。
続いて、立候補に準備を進める上川陽子外相が4.2%、真っ先に立候補に名乗りを上げた“コバホーク”小林鷹之前経済安保相が3.6%、青山繁晴参院議員が1.6%、茂木敏充幹事長が1.3%、並んで野田聖子元少子化相1.3%、林芳正官房長官1.0%、加藤勝信元官房長官0.6%、斎藤健経産相0.2%となった。
【次の総裁にふさわしい人】
小泉進次郎 元環境相 22.4%
石破茂 幹事長 21.6%
高市早苗 経済安保相 10.8%
河野太郎 デジタル相 7.7%
上川陽子 外相 4.2%
小林鷹之 前経済安保相 3.6%
青山繁晴 参院議員 1.6%
茂木敏充 幹事長 1.3%
野田聖子 元少子化相 1.3%
林芳正 官房長官 1.0%
加藤勝信 元官房長官 0.6%
斎藤健 経産相 0.2%
(この中にいない・わからない・言えない) 23.7%
自民支持層で支持を伸ばす、小泉氏・石破氏・高市氏
自民党総裁選は、367人の国会議員票と、全国の自民党員票を同数の367票に換算して、総票数734票を争う選挙となる。
この記事の画像(4枚)国会議員票の数とともに、勝敗の行方を決めるのが、自民党員投票となる。
そこで、自民党支持層に限って「最も総裁にふさわしい人」に関する質問をみると、小泉氏は、約7ポイント伸ばして29.4%、石破氏は1ポイント強伸ばして23.0%、高市氏は5ポイント近く伸ばして15.3%と、上位3人はいずれの候補も支持を伸ばした。
続いて、河野氏7.0%、上川氏4.3%、小林氏4.0%。茂木幹事長は、自民支持層では支持が倍増して2.5%、林氏1.2%、青山氏1.0%、加藤氏0.9%、野田氏と斉藤氏が0.3%となった。
自民支持層がそのまま自民党員ではないものの、より党員投票の実態に近づいた形では、小泉氏、高市氏の順で大きく支持を伸ばし、石破氏も支持を広げた。
また、7月調査で同じく、自民支持層に限った総裁候補を質問した調査に比べると、小泉氏は16ポイント以上支持が拡大した。
7月調査では候補者として選択肢に入っていた、岸田首相と菅前首相が8月調査では選択肢から外れたことで、岸田氏・菅氏を支持していた意見が、小泉氏に大きく流れた形となった。
【次の総裁にふさわしい人×自民支持層】
(カッコ内は7月)
小泉進次郎 元環境相 29.4%(13.0)
石破茂 幹事長 23.0%(21.2)
高市早苗 経済安保相 15.3%(10.6)
河野太郎 デジタル相 7.0%(8.2)
上川陽子 外相 4.3%(5.5)
小林鷹之 前経済安保相 4.0%
茂木敏充 幹事長 2.5%(2.2)
林芳正 官房長官 1.2%(1.8)
青山繁晴 参院議員 1.0%
加藤勝信 元官房長官 0.9%
野田聖子 元少子化相 0.3%(1.2)
斎藤健 経産相 0.3%
(この中にいない・わからない・言えない) 10.7%
女性有権者をつかむ小泉氏・石破氏
続いて性別で支持を見ると、女性有権者の支持を集めているのは、小泉氏が23.6%、石破氏が22.3%とほぼ同率なった。
他候補は、立候補表明や今後の活動で変動はあるものの、今の段階では、いずれも女性有権者からの支持は一桁台にとどまり、河野氏6.8%、高市氏5.9%、上川氏5.2%、小林氏4.5%となり、続いて野田氏1.6%、茂木氏1.0%、林氏0.9%、青山氏0.4%、加藤氏0.3%、斉藤氏0%となった。
総裁選では、高市氏、上川氏と女性総裁候補が立候補を目指しているが、今の段階では、小泉氏、石破氏の2人が女性有権者からの支持を集めている現状だ。
【次の総裁にふさわしい人×性別】
女性 男性
小泉進次郎 元環境相 23.6% 21.0%
石破茂 幹事長 22.3% 20.8%
河野太郎 デジタル相 6.8% 8.7%
高市早苗 経済安保相 5.9% 16.0%
上川陽子 外相 5.2% 3.1%
小林鷹之 前経済安保相 4.5% 2.7%
野田聖子 元少子化相 1.6% 1.0%
茂木敏充 幹事長 1.0% 1.8%
林芳正 官房長官 0.9% 1.2%
青山繁晴 参院議員 0.4% 2.8%
加藤勝信 元官房長官 0.3% 1.0%
斎藤健 経産相 0.0% 0.3%
さらに年代別でみると、若年層は小泉氏、高齢層は石破氏がそれぞれトップの支持を集めた。
40代以下では、いずれの年代層でも小泉氏が最も高い支持を集め、50代以上では、石破氏が最も高い支持を集めた。
(以下年代別上位3人)
【20代以下】
小泉元環境相 28.0%
高市経済安保相 12.7%
河野デジタル相 12.4%
【30代】
小泉元環境相 26.1%
河野デジタル相 11.8%
石破元幹事長 9.9%
【40代】
小泉元環境相 22.6%
石破元幹事長 18.0%
高市経済安保相 16.0%
【50代】
石破元幹事長 20.9%
高市経済安保相 18.3%
小泉元環境相 16.6%
【60代】
石破元幹事長 32.9%
小泉元環境相 19.3%
高市経済安保相 12.8%
【70代以上】
石破元幹事長 32.5%
小泉元環境相 22.9%
上川外相 7.8%
自民党を支持すると答えた有権者を年代別にみると、多い順番に「70代以上」35.0%、「50代」21.7%、「40代」13.2%、「60代」12.7%、「20代以下」11.2%、「30代」6.1%となっている。
実際の自民支持層も比較的年齢が高いとされる中、特に高齢世代からの支持を集める石破氏は、混戦模様となる中で、実際の自民党員投票で多くの支持を集めることとなりそうだ。
また、若者を中心にしつつも全世代から支持を集める、小泉元環境相も党員票厚めで先行している状況と言える。
総裁選に候補乱立の中、自民党の支持率急回復33%
混戦の自民党総裁選となることが見通される中、自民党の支持率が今回の調査では急回復、7月調査に比べて、7.9ポイント上昇して、自民党支持率は33.0%に上昇した。
また、次の衆院総選挙後の政権のあり方についても、自民公明政権の継続を求める意見が急進し、「自民公明中心の政権の継続を期待」が52.6%、「いまの野党中心の政権交代を期待」36.8%を上回った。
先月の調査に比べて、自公政権の継続を求める声は13ポイント近く上昇した。7月までは野党による政権交代を望む声が、自公政権継続を上回る調査結果も出るなど、政権交代に対し、自民党には危機感、立憲民主党には期待感が広まっていたが、今月に入り一転、自公支持への揺り戻しの動きが明らかになった。
【政党支持率】(カッコ内は先月)
自民 33.0%(25.1)
立憲 7.0%(6.1)
維新 2.6%(2.6)
公明 4.2%(2.8)
共産 1.7%(1.7)
国民 1.3%(1.3)
れいわ 2.1%(2.1)
教育 0.0%(0.0)
社民 0.2%(0.5)
賛成 0.1%(1.0)
みん党 0.1%(0.0)
支持政党無し 44.9%(51.1%)
【次期衆院選後の政権のあり方】
(カッコ内は先月)
自民・公明中心の政権継続 52.6%(39.3)
いまの野党中心の政権交代 36.8%(46.0)
総裁選・代表選の後は、衆議院選挙で信を問うべき
与党第一党・自民党と野党第一党の立憲民主党のトップを決める選挙が9月に行われた後、次の衆議院選挙がいつ行われるべきかを聞いたところ「年内」が47.1%、「来年の早い時期」が20.0%、来年10月の「衆議院議員の任期満了近く」が27.2%となった。
自民総裁選、立憲代表選への関心が集まる中、自民党員や立憲サポーターは投票できるものの、一般有権者は両党のトップが決定した後、速やかな総選挙を求める声が高まっている。
【衆議院の解散総選挙を行うべき時期】
年内 47.1%
来年の早い時期 20.0%
来年10月の衆議院任期の満了 27.2%