新型コロナウイルスの感染対策として、一般的になりつつあるソーシャルディスタンスの保持。密になりそうな場所を避けて、生活することに違和感がなくなってきた人も多いだろう。

そんな中、密になりやすい喫煙所での取り組みが話題となっている。
それがこちら。

この記事の画像(5枚)

喫煙所の地面に穴があいていて、つい穴を避けたくなってしまう。しかしこの穴は人間の錯覚を利用した「だまし絵」で自然とソーシャルディスタンスがとれるというものだ。

この喫煙所があるのは大崎駅新西口歩道橋下で、8月11日から試験的に運用開始している。このプロジェクトは新型コロナ感染拡大防止対策を講じた「新しい喫煙所」として、品川区とたばこメーカーのフィリップモリス ジャパン合同会社が連携した取り組みだ。また、受動喫煙防止対策として、たばこの煙や臭い等が少ない加熱式たばこ専用としている。

Twitterでは「こういうアプローチ、尊敬しちゃう。」「すべての喫煙所に導入してほしい」などの反応があり、話題となっている。

喫煙所は不特定多数の人がマスクを外してたばこを吸うため、“密”の回避をより意識せざるをえず、感染防止対策として閉鎖した所もある。今回の喫煙所もそれまでは閉鎖していたというが、なぜだまし絵を使用したのか?
まずはフィリップモリス ジャパンの担当者にお話を伺った。

自然とソーシャルディスタンスを保つ方法の一つ

ーーなぜこのような取り組みを行っている?

たばこメーカーとして、公衆喫煙所のたばこの煙やにおいの問題を解決するため、自治体の喫煙対策をサポートする取り組みを行っております。


ーーだまし絵を使った理由は?

喫煙所を利用する成人喫煙者の方が自然とソーシャルディスタンスを保つ方法の一つとして「だまし絵」を採用しました。


ーーなぜこのデザインにした?

地面に穴が空いているように見えることから、その場所を避け、自然とソーシャルディスタンスを保つことを期待しています。
デザインは計4種類あり、「草原」「青空」「宇宙」「池」となります。


ーー苦労したことを教えて

コロナ禍以前に設立された従来の公衆喫煙所は、その他多くの公共空間と同様、新しい生活様式を想定せずに作られています。現在は多くの喫煙所をいったん閉鎖している組織や自治体が多く、どのように3密を回避した喫煙所にするかというところに苦労しました。

喫煙所の外観

新しい生活様式を想定せずに作られていた喫煙所を活用するためにうまれたアイデアだが、実際の効果や利用者の反応はどうなのか、品川区の担当者にもお話を伺った。

煙や臭いに関する苦情がなくなった

ーー効果はあった?

新しい喫煙所は開設して間がないため、効果等は検証中ではありますが、以前は多数寄せられた、煙や臭いに関する苦情はなく、また、喫煙所内が密になっている旨の指摘等はいただいていおりませんので、今後に期待をしているところです。


ーー他の場所に応用する予定はある?

今後効果検証をしたうえで、他の場所での応用も検討して参ります。


ーー利用者の反応は?

検証中の段階ですが、利用者から不満の声は届いておらず快適にご利用頂いております。


ーー密を減らすために喫煙所を増やすことは考えていない?

本来であれば、喫煙所を増やしていきたいところですが、用地の確保や近隣住民の合意形成がとても難しくなっております。このため、現在運用中の喫煙所に工夫を凝らすこと、喫煙所の皆様のご協力をお願いすることで、密の回避に努めてまいります。

自然にソーシャルディスタンス

ーー反響はあった?

マスコミ各社からご興味をいただいており、大変ありがたく感じております。


ーー喫煙所の利用者にメッセージを

利用者へのメッセージは、当該喫煙所内にも案内看板として設置しております。

・利用者同士、間隔を空けましょう
・向かい合った喫煙は控えましょう
・利用時の会話は控えましょう
・混雑時は譲り合って利用しましょう

喫煙所でのだまし絵を活用したソーシャルディスタンスの確保は、全国初の試みだという。こうした取り組みに加えて、利用者自身も、混んでいたら利用しないなど新しい生活様式をふまえた喫煙マナーを身につけていかなければならないだろう。
 

【関連記事】
自転車の迷惑駐輪を“幻の花壇”で解消!? 発案者は小2男子「人はきれいなものを汚したくない」
子供のいる部屋や車は「喫煙禁止」条例可決…なぜここまで? 大阪・寝屋川市長に詳しく聞いた