先日、「多頭飼育崩壊」により、長野市保健所は39匹の猫を保護した。このため、施設の業務はひっ迫状態に陥り、保健所は「猫たちを救ってほしい」と呼びかけていた。8月16日に開かれた譲渡会には、69組159人が参加し、多くの譲渡希望があった。

「多頭飼育崩壊」

「食べるね、君。お腹空いたの?」

「めちゃくちゃかわいい」

女の子が声をかけながらえさをあげているのは保護猫。

保護猫
保護猫
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8月16日、長野市保健所動物愛護センターで譲渡会が開かれた。対象は45匹の猫で、ほとんどが、一軒の「多頭飼育崩壊」で保護された。

糞尿の臭い、ごみ散乱…多数の猫が

飼い主は、7月末に体調を崩して入院した1人暮らしの60代男性。親族が訪ねると物やゴミが散乱する中、隠れるように暮らす猫たちが取り残されていた。

住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所
住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所

長野市動物愛護センターの関口徳之課長補佐は「割と大きな一軒家で糞尿の臭いが立ち込めてそこに猫がたくさんいた。日差しが当たらない家だったので直射日光が避けられた分、涼しい感じだった」と、当時の様子を話した。

保健所は、2歳から10歳の39匹を保護。収容限界の50匹に迫るパンク状態に陥った。

譲渡会には、多くの家族連れ

そんな中、行われたのが第3土曜日恒例の「休日譲渡会」。窮状を知って、朝から多くの家族が訪れた。

早速、飼うことを決めた家族もー。

「休日譲渡会」
「休日譲渡会」

千曲市から来た小学生は「猫が自由に暮らしていけるように、毎日ちゃんと見たり、世話もしっかりしてあげたい」と話した。

7カ月前に飼い猫が死んだ家族も参加

「奥の子もかわいい」

市内に住む深沢さんの家族も、テレビのニュースを見て駆けつけた。

母親は「6歳の子が(家に)いるので、その子よりも年下の男の子がいいかな」と条件も考慮しつつ観察していた。

猫を観察する深沢さん家族
猫を観察する深沢さん家族

深沢さんの家には2匹の猫がいたが、2025年1月、1匹が死んでしまった。保護猫を迎えるのはこれが初めてで、約1時間、家族でじっくり見学した。

娘は家に来たら「甘やかすと思います」と家に迎えるのを楽しみにしている様子。

父親は「生き物を飼うのは責任があることなので、ちゃんとそういった管理をしなければ」と気を引き締めた。

69組が参加 27匹譲渡希望

この日は69組159人が参加し、27匹の譲渡希望があった。

保健所は当面、平日の見学を、通常の午後に加えて午前中も受け入れる。(※要予約・1グループ20分)

休日譲渡会
休日譲渡会

長野市保健所動物愛護センター・関口徳之課長補佐は「優しい飼い主さんに迎えていただき、生涯、なに不自由なく生活していってほしい」と述べた。

(長野放送)

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